プロローグ
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リゼ父「今日から、お前に護衛がつく」
リゼ「え?」
唐突に親父に呼び出された私は、いつもなら「了解いたしました」と言うところを府抜けた返事をしてしまった。
そればかりか、鳩が豆鉄砲をくらったような面まで晒してしまう。淑女にあるまじき失態だ。
リゼ父「発言を許可する」
リゼ「あ、そ、その・・・何か特別な事情でもあるのか?」
そんなこと、訊かずともわかっている。
特別な事情でもない限り、私に護衛が付くことなどあり得ない。それは私が幼い頃から軍人の子として育てられたからである。
ちょっとやそっとのことでは動じない為の訓練は積んできたつもりだ。暴漢や変態などの類いなどには遅れはとらない。
その事は、そう育てた親父が一番理解しているはずだ。
であれば、だ。
何か私の手に負えない状況なのかもしれない、そう推測するのは自然なことだ。
ラビットハウスや学校の皆にも危害が加わる可能性があるのかもしれない。
そう思うと、自然と顔が強ばり、背筋が延びる。
だが、そんな私の緊張を察した親父は、頬を緩ませる。
リゼ父「大丈夫だ。特にそういった事情ではない」
リゼ「そ、そうか…なら、良いのだが」
まずは一安心といったところだろうか。
皆に危害が加わる心配は拭えたわけだが、それだと、私に護衛が付く意味が余計に理解できない。
リゼ父「まあ、護衛といっても形だけのものだがな」
と、親父は苦笑する。
ますます意味がわからない。私は首をかしげるばかりだ。
リゼ父「事情はおいおい説明する。まずは、護衛に付く者を紹介しよう。…入ってくれ」
???「はい」
親父の呼びかけに一拍置き、聞き慣れない声が真後ろから聞こえた。
リゼ「!?」
リゼ父「そう警戒するな。彼に敵意はない」
そうは言っても、これでも私は実戦に出たことはないが厳しい訓練を、受けた(受けさせられた)身だ。人の気配には人より少しだけ、ほんの少しだけ敏感なはずだ。
それが、全く気付けないなんて……。
リゼ父「紹介しよう。今日からお前の護衛の任に付いてもらう、風見雄二君だ」
雄二「本日付で護衛の任にあたることとなった、風見雄二であります!年はお嬢と同級であります」
リゼ「な!?」
入室してから直立不動、さらに軍人のような台詞で自己紹介を無表情に告げる彼。
そう、彼。 男。 男性。 少年。
様々な異性を意味する単語が頭に駆け巡る中、私は狼狽する。
リゼ「どういう事だ親父!?」
リゼ父「こういうことだ」
リゼ「答えになってないぞ!!質問の答えには具体的かつ簡潔な返答をしろと教えたのはあんただろ!?」
リゼ父「まあ、落ち着け」
リゼ
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