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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第110話 ALFと解放軍
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それは突然だった。
「うっ……」
突如、ユイが苦しそうに声を上げたのだ。
「……ユイ?」
「大丈夫か?」
それに気づいたリュウキとキリト。リュウキは、反射的にユイの方を視ていた。
「みんなの……、みんなの、こころが……」
その声はとても細かい。でも、よく通る声が場に響いたのだ。その声は、アスナにもレイナにも届いた。 そして はっ として、顔を上げる。
ユイは、空に視線を向けていた。
「みんなの……こころが……」
「ユイ! どうしたんだ、ユイ!」
「何か……思い出したのか?」
キリトが叫び、そしてリュウキがそう聞く。ユイは2度、3度瞬く。でも、2人の言葉が判らないのか、何も言わない、言えなかった。そこへアスナとレイナが戻ってきた。
「ユイちゃん!? 大丈夫っ!」
「何か思い出したの??」
2人が駆けつけたところで、ユイはゆっくりと表情を俯かせて答えた。
「あたし、わたしは……ここには、いなかった……。ずっと、ずっとひとりで……、くらいところにいた……」
「暗い……ところ?」
リュウキは、その言葉を口吟みながら考えた。
この世界において暗い所、昼夜問わずに暗いところと言えば、迷宮区、即ち圏外、洞窟系のダンジョン。そこであれば、燭台の灯りくらいしかないだろう。
だが、第1層であれば、暗闇と表現するにはまだ明るい方だ。
確かに、ユイは『くらいところにずっといた』と言った。
それは、子供だからだろうか、とも考えたが何かが違う。ユイは、何かを思い出そうとするかのように顔をしかめ、唇を噛むと、突然――。
「あ、うあ……あ、あああ!!」
ユイの表情が崩れ、顔が仰け反り、細い喉から高い悲鳴が迸った。
「っ!!?」
その瞬間、ザ、ザッ!と言うSAOないで初めて聞くノイズじみた音があたりに響き渡る。いや……、このまるで耳を劈くような不協和音が響くのは自分たち4人だけのようだ。他の子供たちや、あの女性は心配する様子で、耳を塞ぐような仕草はしていなかったのだから。
「ゆ、ユイちゃんっ!」
崩壊するかの様に激しく振動するユイの身体をアスナは、両手で必死に包み込む。レイナも心配そうに、ユイの傍にいた。
「ママ、……おねぇちゃん……わ、わたし、こわい……とても……こわい……」
まだ、鳴り止まないそのノイズは、ユイと連動している様だ。彼女の精神状態と連鎖反応を起こし、この現象を起こしているのだとすれば……。
「……安心しろ。ユイ」
リュウキは、ユイの額に手を当てる。そして、ユイを優しく撫でた。あのノイズはまだ頭の中で響いているが、眉一つ動かさずにユイの方を見ていた。そして、安心できる様に、微笑みが
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