暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第110話 ALFと解放軍
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だ。

「私のレベルでは、突破する事ができません。……かと言ってキバオウの息のかかっている軍のプレイヤーの助力もあてには出来ません……。そんなところに、恐ろしく強い人たちが街に現れたと言う話を聞きつけて、いてもたってもいられずにこうしてお願いに来た次第です。キリトさん、リュウキさん、アスナさん、レイナさん」

 ユリエールは、4人の顔を其々1人ずつ見ると、深々と頭を下げていった。

「お会いしたばかりで厚顔極まるとお思いでしょうが、どうか、どうか私と一緒にシンカーを救出に行ってくださいませんか……」

 この話はとても長く感じた。アスナは彼女をじっと見つめた。確かに、ユリエールが嘘を言っている様には見えない。……だが、悲しいことだとは思うが、ここSAO内では他人の言うことをそう簡単に信じることは出来ないのだ。口では何と言っても、昨日の報復に圏外へと誘い出し、危害を加えようとする陰謀である可能性も捨てきれない。

 アスナは、私情をぐっと押し留めながら口を開いた。

「私達に出来る事なら、力を貸して差し上げたい――……と思います。ですが、そのためにはこちらで最低限のことを調べてあなたのお話を裏付けしないと」
「それは……当然、ですよね」

 ユリエールの瞳から一筋の涙が流れ落ちた。

「無理なお願いだという事は、私にもわかってます……、ですが……ですが、黒鉄宮の《生命の碑》にあるシンカーの名前に いつ、横線が刻まれるかと思うと、もうおかしくなりそうで……っ」

 その涙は留まる事なく流れ続けた。
 そう、《シンカーは安全地帯で身動きがとれない状況にある》と言うのは、あくまで可能性の話なのだ。……もし彼が、決死の覚悟で動き出すかもしれないと言う可能性だった捨てきれないのだ。人の良い彼は、自分が居なくなれば、軍がどうなってしまうのか、それを考えない筈が無いから。
 
 そして、その選択をしてしまったその時が、彼の最後だとも言えるから。

「っ……」

 レイナも、彼女の涙を見て 気持ちが強く揺らいだ。
 血盟騎士団と言う巨大な組織の中で培ってきた経験もあり、彼女もアスナ同様の考えを今も強く持っていたのだ。そして、感情で動いてしまえばどうなるのかと言う事も、痛い程知っている。

 時には非情になってでも、そう選択せざるを得ないと言う事を。

 だけど……信じてあげたいと言う気持ちも強く持っていた。……もし、シンカーと言う人とユリエールがただの副官、司令官の関係ではなく、特別な絆で結ばれている2人だったら?自分に置き換えてみれば、すぐ横に居る愛する人が危険な目にあっていると言う状況なのだ。
 そんな状況だったら……、自分も絶対にユリエールと同じ行動を取ると確信出来るから。
 
 アスナもレイナの想いも
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