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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第110話 ALFと解放軍
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残ると言ったのだ。
その後もユリエールは続ける。
「でも、キバオウ派にも弱みはありました。それは、本来はSAOから《解放》する為の組織、ギルドであるのに、資源の蓄積だけにうつつを抜かせて、その本来の目的をないがしろにし続けたことです。本末転倒だと言う声も上がり、その不満を抑えるために、最近キバオウは無茶な博打に出たんです。……配下の中でも最もハイレベルのプレイヤー10数人による、攻略パーティを組んで、最前線のBOSS攻略に送り出したんです」
その言葉に、互いに見合わせていた。
……最前線に来た軍のメンバー、それに面識があるのだから。
「コーバッツさん……」
「博打にすらなっていない。……端から無謀な作戦だ。25層以上を知らない者たちが、レベルだけを頼りに上にあがってくるなんて」
リュウキは、ギリっと歯軋りをして、拳を握り締めた。単純に適正レベルさえあれば、大丈夫なのではない。この世界はそんな生ぬるいものではない。……誰しもがそれを判っている事だと思いたかった。
あの時の声が、表情が、まだ鮮明に残っているから。
「……そのとおりです。元々攻略組の皆さんに比べたら、私達の力不足は否めません。……結果は最悪なものでした。その結果、キバオウはその無謀さを強く糾弾されたのです。もう少しで彼を追放できるところまで行ったのですが……。追い詰められたキバオウは、シンカーを罠に掛けると言う強攻策に出たのです」
その言葉を口にするユリエールは、唇を噛んでいた。
「……シンカーは、……彼をダンジョン奥深くに置き去りにしたんです」
「ッ!!」
「て、転移結晶は?」
余りの驚きの事で、思わずキリトはそう聞いた。だが、ユリエールは、首を左右に振った。
「そ、そんな! 圏外に手ぶらで?? なんで、そんな危険なことっ!」
「……シンカーは良い人過ぎたんです。キバオウの『丸腰で話し合おう』と言う話を信じて……、3日前の事です」
「3日も前に……!? それで、シンカーさんは?」
反射的に訊ねたアスナに、ユリエールは小さく頷いた。
「《生命の碑》の彼の名前は、まだ無事なので……安全地帯まではたどり着けたようです。……ただ、場所がかなりハイレベルなダンジョンの奥なので、身動きが取れないようで……ご存知のとおり、ダンジョンにはメッセージを送れませんし、中からはギルド倉庫にアクセスできませんから、転移結晶を届けることもできないのです。……すべては副官である、私の責任です」
出口を死地のど真ん中に設置した回廊結晶を使う殺人は《ポータルPK》というメジャーな手法だ。……仮にも解放を謳っているギルドの者が。そう強く憎悪したとしても仕方がないだろう。
あの男
(
キバオウ
)
は、墜ちるところまで堕ちたと言う事
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