暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第110話 ALFと解放軍
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った為、レイナはそう聞いていた。

「あ、はい。申し訳ありません。……折り入ってあなた方にお願いがあってきたのです」

 その銀の髪を揺らせながら頭を下げる。何事だろうか、と4人は話を聞く事にしたのだった。


「元々軍のトップであるシンカーは、決して今のような独善的な組織を作ろうとしたわけじゃないんです。ただ、情報とか、食料とかの資源をなるべく多くのプレイヤーで均等に分かち合おうとしただけで……」

 教会内へと招き入れ、サーシャにも立ち会って貰いながら、ユリエールは話を始めていた。軍の事を初めから順に。ALFが今の名前になったのはサブリーダーだった男が実質の支配者となってしまった為。
 ……シンカーという名は、嘗てSAO開始当時の日本最大のネットワークゲーム総合情報サイトである《MMOトゥデイ》。その略語でMTDという名でギルドを作った男の事だ。
 情報サイトについては、キリトもリュウキも知っている。そして、その名前も。

「だが、軍は巨大になりすぎた」

 キリトのつぶやきに、ユリエールも頷いた。
 危険を極力減らし、安定した収入を得てそれを均等に分配しようという発想、思想は間違えてはいない。……だが、この世界の根源はMMORPG。
 この世界で生きている者は、大義名分を持ち、信念を持った者だけではない。当然だろう、嘗ては画期的なVRMMOとして売り出されていたのだから、基本大多数がゲーマーなのだから。

 だからこそ、そのMMORPGの本質である、プレイヤー間でのリソースの奪い合いは変わらない。
そう、ここが極限的状態となったとしても……。

 だからこそ、理想を実現、させるためには、組織の規模は勿論、強力なリーダーシップが必要だったのだ。規模自体は申し分ない。……いや、巨大すぎたのだ。

「そこに、台頭してきたのが、キバオウという男です。……彼ら一派はシンカーが放任主義なのをいいことに、同調するプレイヤーたちと体制強化を打ち出して、ギルド名を変えさせました。更に公認の方針として、犯罪者狩りと効率のいいフィールドを独占することに推進したのです。……それまで、一応は他ギルドとの友好も考え、狩場のマナーは守ってきたのですが、数の力で長時間の独占を続けることで、ギルドの収入は激増して、彼らの権力もどんどん強力なものになってしまいました。……そして、調子に乗って、街区圏内でも《徴税》と称して恐喝まがいの行為すら始めたのです。昨日、あなた方が痛い目に合わせたのはそんな連中の急先鋒だった奴らです」

 一息つくようにユリエールは、サーシャが入れてくれたお茶を含む。ユイも同じようにお茶を含む。
幼い彼女には、難しすぎたのか、途中から何度も、うつらうつらとさせているのを見て、レイナは、席を外す?と聞いたが、ユイは
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