暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第109話 全ての始まりの街
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戦士時代に戻ったような爛々とと光る目を向けていた。レイナは、比較的にアスナを抑えるストッパーの様な役割だったんだけど、今回はまるで、アスナのそれが伝染ったかのように、アスナ同様に目を輝かせていたのだ。

「……アリ対ゾウ、だな。オレ達の出番は無さそうだ」
「ゾウ、って言うよりゴリラ……」
「………そんな事言って大丈夫か? 後で大変だと思うけど」

 リュウキがキリトにそう言うけど、キリトはまさか、2人が聞いてる筈ない、とタカくくっていたようだけれど……。キリトは、確かに見た。
 正に閃光の如き速度で敵を蹴散らしている2人だったんだけど……一瞬だけ、その速度を止め、こちらをギロリと睨んでいるのを。

「うげっ……」
「ご愁傷様」
「だ、で、でも、リュウキだって……」
「んー、でもオレの方は睨んでなかった様だけどな」
「ぐぅ……」

 そのゴリラと言う表現が拙かった様だ……。聞かれるような距離じゃないって思えるのだけれど、聞かれた以上は、仕方がない。《後悔後に立たず》、と言うヤツである。

「ま、まぁ、それはそれとして……、どうだ?ユイ。ママとお姉ちゃんはすっごく強いだろう?」
「……う、ん」

 ユイも呆然と見ていた。始めこそは、彼ら軍の連中の事もあり、表情を強ばらせて黙っていたけど、今は大丈夫のようだった。


 そして、更に3分後。

 我に返った2人は足を止め、剣を下ろす。
 もう、死屍累々……、自分の脚で立っている軍の者は1人としておらず、虚脱して転がっているだけだった……。

「ふぅ……」
「ん……」

 大きく、同じように息をついて、細剣を鞘に収めて、改めて振り返ると……、そこには絶句して立ち尽くす少年少女、そして女性プレイヤーがいた。

「あ……」
「っ……」

 この時、2人は、やってしまった!感に苛まれていた。あの時、恐怖の対象であった筈の軍の連中を瞬く間に蹴散らしたその姿は、子供達にはどう写っただろうか?……更に怯えさせてしまっただろうと、想い俯かせた。

 だが突然、子供達の先頭に立っていた少年が目を輝かせながら叫ぶ。

「すっげぇ……! すっげえよ! お姉ちゃん達っ!! 初めてみたっ!!」

 その歓声に続いて、他の子供たちがわっとアスナとレイナに一斉に飛びついていた。そう、子供たちにとっては、悪者をやっつけてくれたヒーローの様に見えていたのだ。

 自分たちの為に、やっつけてくれた事はよく判っていたから。

「あ、あぅ……っとと」
「あ、え……えへへ……」

 2人して、困ったように笑っていた。そして、子供たちを心配して駆けつけた彼女は目に涙を溜めながら両手を胸の前で握り締めていた。
 
 笑顔が絶えなかった、そんな時だった……ユイに
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