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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第109話 全ての始まりの街
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ちゃうってものよ。……でも、それはそうとして、ここはただの路上なのに、なんで隠れてる必要があるのかな?」
都会の路上に静寂な空気が流れ込む。その時だ。 突如、その雰囲気を壊すような声が聞こえてきたのだ。
『子供達を返してくださいっ!!』
そう遠くはない所で、女性のものと思われる声が響いてきたのだ。その声を訊いただけでよく判る。只事ではないと言う事が。
「っ!! 皆っ!」
「ああ!」
「うんっ!」
「向こうだ!!」
4人は、声がした方向へと向かって一斉に駆け出した。木立の間を縫い、さらにその先の市街地に入って、裏通りを抜けていく。索敵スキルを最大限に利用して、最短距離をショートカット。NPCの出しているショップの店先や民家の庭などを突っ切って進むうちに、前方の細い路地を塞ぐ一段が目に入った。……目算で10人前後、灰緑色と黒鉄色で統一された装備。それがなんの団体なのかは、もう人目見れば直ぐに判る。……あの第75層の迷宮区でも見ている団体。
そう《軍》のものだった。
その一団の前に1人の女性が立っていた。服装から、軍のメンバーでは有り得ないだろう。
「おおっ、保母さんの登場だぜ」
軍の連中の1人が、下衆びた声を発しながら剣を担ぐ1人の男に、気圧される事なく、言い返す。
「子供達を返してください!」
まるで躊躇せずに硬い声でそう叫んだ。恐らくは見えないが、言葉のとおりなら、その集団の先に子供がいるようなのは間違い無いだろう。
「人聞きの悪い事を言うなって、すぐに返してやるよ。ちょっと社会常識ってもんを教えてやったらな?」
「そうそう、市民には納税の義務があるからな」
男達は『わははは』、甲高い声を上げていた。固く握られた女性の拳がぶるぶると震える。
「ギン! ケイン! ミナ!! そこにいるの!?」
軍の男たちの向こうにそう呼びかけると、すぐに怯え切った少女の声で応えがあった。
「先生! 先生……助けて!」
「お金なんていいから、全部渡してしまいなさい!」
「先生……だめなんだ……」
今度、聞こえてくるのは絞り出すような少年の声だ。
「くくく」
道を塞ぐ男の1人がひきつるような笑い声を吐き出すと。
「あんたら、随分と税金を滞納してるからなぁ……、有り金全部じゃ足りないよなぁ?」
「そうそう、装備も置いていってもらわないとなぁー? 防具も全部、何から何まで……」
そこまで聞いて全て判った。この連中は、少女を含む子供たちに着衣もすべて解除しろと要求しているのだ。
常軌を逸しているとも言える。
現実世界では、性犯罪者として、吊るし上げ、たたき出せる事も出来るが、この世界ではそれは無理なんだ。犯罪
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