暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第109話 全ての始まりの街
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こう答えた。難しい顔をしていたユイだが、ふにゃりと表情を緩ませるのだった。

「そうだねー! あちこち歩いていればそのうち何か思い出すかもだし、4人で散歩する気分で行こう。ユイちゃんもその方が楽しいよね?」
「うんっ、おねぇちゃんっ ユイもいくっ」

 ぱぁ、と花開く様に笑顔を見せてくれるユイ。レイナもそれを見たらつられて笑顔になる。何処か落ち着きだって取り戻すことが出来るんだ。

「よーし、進路は南南東! 出発っ」
「おー!」

 アスナの一声で4人は大通りに向かって歩き始めた。

 その中で、少々訝しい気持ちで改めて周囲を、広場を見渡した。……人が少ないのだ。意外な程に。
この層は、一番最初の層であり、拠点となる層、何より 現実世界から、初めて降り立つ街。どのダンジョンを経由する必要もなく降り立つ事が出来る街だからこそ、一番の安全地帯なのだ。

 だからこそ、戦えない者達はここにいるハズなんだけど。

「ねぇ、キリト君、リュウキ君」
「ん」
「どうした?」

 アスナは、2人に問いかける。この層に関してを聞くためだ。

「ここって、今 プレイヤーは何人くらいいるんだっけ?」
「ん……、生き残ってるプレイヤーが約7000だ」
「そうだな。それに軍も含めたとしたら、その中の3割。2000人弱ってところかな?」

 アスナの問に2人はそう答える。何度頭で計算しても間違いないのだ。だけど、メンバーの中で一番先頭にいたレイナが声をかけた。

「でも、その割に……人がいないよ? 前に来たときは簡単な露店だって開いてたし……NPCのお店しかないよ?」
「ん。……確かにな。不信には思っていたが……、マーケットの方はまだ行ってないだろう? そっちに集まっているかもしれないな」
「そうだな。あれ? リュウキはこの層のイベントとか覚えてないのか?」
「……無茶言うな。全層の情報を全て把握してる訳無いだろう?」
「あはは、でも 前に遊びに行った時のイベントは殆ど覚えてなかったっけ?」
「……まぁ あれは中層の位置だからな。流石に最下層である1層に関しては……、ここは広い分イベント量も多いんだから」
「……どっちにしても凄いって言うのは判ったわ。リュウキ君は……試験テスト勝負してみたいって思っちゃった」

 アスナは、リュウキの記憶力、暗記力のよさに舌を巻いた様だ。だからこそ、学生テストで競ってみたいと想った様だ。

「オレは一抜けたっと……」
「テスト、か。基本的な学業は、必要最低限な物しか習得してないからな」

 キリトはテスト、という単語を聞いてそうそうに手を上げた様だ。……ゲームの世界で学業の事を考えてくないのは皆同じだろう。リュウキ自身は、その年齢からは普通は考えられないが、もはや就職を
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