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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第109話 全ての始まりの街
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姉のアスナと一緒に暮らしてきたからこそ判る。レイナ自身も1週間、2週間と自体が改善の兆しが見えない状況に発狂しかねない程のパニックを味わっていたんだ。……その原因が、誘った自分だったから。
人生の終焉とも言えるその悪夢の世界に誘ったのが自分なのだから。
アスナを立ち直らせたのは、妹であるレイナの存在もある。そして、あの引きこもっていた宿から自分を出したもの。……当初最も強く抱いていたのは《黒い思念》だ。
現実世界でいる親、そして友人達の顔を思い浮かべる日が続いたのだ。失望している、嘲笑している、哀れんでいる。それらの黒い思念が脱出という決意を固めさせた。
必ず取り戻してやろうと、レイナと強く思って。
そこから……様々な出来事を経験し、派生していったのが《双・閃光姉妹》アスナとレイナだった。
「………」
「レイ」
アスナは、レイナの肩を掴んだ。
その彼女の顔からきっと、あの時の事を思い出しているのであろうと想ったのだ。
「私達は違うよ? あの時とは。だって……レイも私も一緒でしょ? ……何が一番大切なのか、わかった今はさ……。それに、私はレイにすっごく感謝してるんだから。……レイが誘ってくれたおかげで……だもん」
「お姉ちゃん……う、うん。」
とても大切なもの。
……それは、互いに隣に立っている者達の存在だろう。レイナに限っては、優しくしてくれた事や、無意識に一目惚れと言う切っ掛けはあった。そして、心の底に懊悩を抱えている少年を助けて上げたい。
自分を、救ってくれたからこそ……。
アスナは、一日を生きる事、世界が変わったとしても、この世界で生きている事を教えてくれた存在がいた。
2人のおかげで、2人を追いかけたい、2人の様に、生きたい。……2人の傍で。彼女達がそう思った時から、アスナとレイナの日々の色彩を変えたんだ。大切な人が、愛する人が傍らにいてくれる限り……世界は無限に広がっていくんだ。
「ママ? おねぇちゃん??」
ユイは、2人方に顔を向けた。キリトの背におぶられながら。
「ん。何でもないよ?ユイちゃん」
「……うん! そうだ。ユイちゃん、見覚えのある建物とか、あるかな?」
笑顔のまま、そう答える2人。人の笑顔に何よりも反応を見せているユイ。その顔を見てニコリと笑顔になって、言われたとおりに周囲の建物を見渡した。
「うー……、わかんない……」
笑顔だったけど、見渡し、思い出そうとしたせいか、難しい顔になっていた。
「まぁ、はじまりの街は恐ろしく広いからな」
「ん。……慌てる事無いよ。ゆっくりと行こう。時間をかけて、な?」
「うんっ」
キリトがユイの頭を笑顔で撫で、リュウキが落ち着かせる様に
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