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リリなのinボクらの太陽サーガ
別離
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に現状維持で精一杯との事です!!』

アースラのオペレーターにして、クロノの補佐官であるエイミィにブリッジからとんでもない事を伝えられ、リンディさんが驚きの声を上げる。突然の情報に驚いたのは私達も同様で、この緊急事態に否が応でも緊張が走る。

地球から発進してそれなりに時間が経っているから、アースラの現在位置はむしろミッドに近い。逆にニダヴェリールの座標はミッドよりも地球に近いから、吸収の影響も小さいはずだった。しかし離れていても驚異の吸収速度であるため、このままエネルギーを全て吸い取られでもしたら、次元空間内で漂流する事になってしまう。そうなればいくら魔導師でもまともに戦える環境ではない。つまり戦う前に敗北が決定してしまうのだ。

「止むを得ません、予備の魔導結晶の使用を許可します! 次元空間内でエネルギー切れを起こされては、戦いにもならないわ! 急いで!!」

『とっくに面舵一杯、全速前進で向かっていますよ! この速度でいけば400秒後にミッドチルダへ到着します!!』

「400秒……予備を全て使っても厳しいわね……! 総員に通達、本艦所属の魔導師は直ちに魔導炉へ魔力を注いでください! このままでは次元空間内で身動きできなくなるわ、急いで!!」

『了解!!』

リンディさんの指示を受け、一瞬でアースラは緊張に包まれた。リンディさんとクロノは指揮官でもあるが私達と共にアースラの魔導炉の前まで行き、先に待機していた武装隊の人達と同様にデバイスを取り出す。

「吸収の影響でコントロールが難しくなっていますが、とにかくがむしゃらに魔力を注いでください。そうすればミッドチルダへ確実にたどり着けます!」

リンディさんの一言を合図に、この場に集った全員が魔導炉に自らの魔力を注ぎ始める。私も実際に送ってみてわかったのだが、確かに遠く離れた所にいる圧倒的な存在へ、アースラの分厚い装甲を通り抜けて魔力が吸収されている感じがした。それに負けじとアースラの魔導炉に私達の魔力を送り、無事に地上へたどり着けることを祈った。

ちなみにはやては魔法術式の記録と発動媒体の“夜天の書”と共に、魔力制御の補助に特化するようカスタマイズされた銃型デバイスの“クルセイダー”を同時使用している。“クルセイダー”はサルタナさんが魔法の制御がまだ上手くないはやてに、急場しのぎとして与えた少々古いデバイスだ。しかし頑丈さで言えばアームドデバイスのカートリッジを使用した攻撃もヒビ一つ入れずに受け止められる程で、確かな信頼を預けられる逸品である。と言ってもあくまで急場しのぎのため、現在製作中の専用アームドデバイス“シュベルトクロイツ”が完成するまでの間だけ使う事にしているらしい。

「しっかしこのデバイス、持ってみるとわかるけどめっちゃ重いんよ……。おかげで
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