別離
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「それはまぁ、仕方がない所もあるわ。指示の伝達が遅かった事もあるし、ミッドに集合しろって言われても故郷を優先したい人もいるし、今いる世界を守りたいと思う人もいる。流石に管理局も、自分達の守りたいものを差し置いて無理やりミッドを守れとは言わないわ」
「人間、誰しも優先順位があって当然だ。今の状況は全次元世界規模の危機だから、誰もが管理局の命令を優先出来る訳でもない」
そういう意味では私達は地球に留まって防衛陣を敷いた方が良いのかもしれない。ラタトスクはミッドより先に地球を狙う可能性もあるから、今の内に守りを固めておくという方法も考えられる。だからと言って、ミッドの人達を見捨てたくない。それに戦いの場がミッドチルダなら、そこで逃がさずに決着をつけてしまえば、他の世界に危機が及ぶ事は無い。もし最初から地球で戦う事になったとしても、全速力で駆け付ければいい。
絶対存在とイモータルとの戦いにお兄ちゃんがいないのは心細いけど……これは私達が乗り越えなければならない戦いなんだ。
『……私達は有無を言わさず、こうして連れて行かれてるけどね。せめて許可ぐらいもらってからミッドに行ってもらいたいよ』
「すまない、アリシアの言う通りだ……。こんな形で連れて行ってる辺り、かなり強引で申し訳ないが……今は一人でも多くの戦力が必要なんだ。傲慢な姿勢で本当に悪いが、事態の解決に力を貸してもらいたい」
『ま、相手は絶対存在とイモータルだし、別に拒否したりはしないよ……でもね、その代わり! 管理局が発行したお兄ちゃんの指名手配の件は、ちゃんと撤回して謝ってもらうからね!!』
「心得た。元より僕達も事態が解決次第、そのつもりでいる。罪もない人間を罰するような事、法の守護者である管理局がしてはならないんだ」
姉さんがクロノに約束を取り付け、彼の返答を聞いた私達はひとまずの覚悟を決めた。ここで頑張ればサバタさんの指名手配を撤廃できる、そうすれば私達が彼から受けた恩を少しでも返せる。なんか……まんまと乗せられてる気もするが、目的が果たせるのならそれでも構わない。覚悟を決めた私はバルディッシュを取り出して、静かに頷いた……その時! いきなりアースラ艦内に警報が鳴りだし、艦全体が激しく揺れ始めた。
『緊急連絡! 艦長、急激に次元空間内の魔力素が消失、吸収されています! ファーヴニルの位置は第66管理世界ニダヴェリールのあった座標から移動していませんが、周辺の世界では既に魔法が使用不可能になっています!!』
「なんですって!? エイミィ、それは確かなの!?」
『マジもマジ、大マジです! 現在、アースラを始めとした全ての次元航行艦の魔導炉からもエネルギーを奪い取られているとの報告が次々と入っています! しかも本局も他の世界に墜落しないよう
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