別離
[8/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なぁ。サバタ兄ちゃんを信じとる気持ちは本物なのに、どうしても上手く行かなかった時の事を想定してしまう。……今の内にカリムの預言の事、皆に伝えとくべきやろうか? いや、これ以上物事をややこしくしたら皆混乱して動けへんようになる。黙ってるのは辛いけど預言の事は八神家で何とかしよう。私達で何としても、サバタ兄ちゃんを守るんや!)」
傍から見てると、やっぱり八神家は相変わらず団結力が凄いな。以前は私とはやて、お兄ちゃんの3人でくくられてたけど、今はそれぞれ別々のコミュニティを持っている。私はテスタロッサ家に戻り、はやてはヴォルケンリッターを受け入れ、お兄ちゃんはエレンさん達ラジエルクルーが味方になっている。でも……一時期共に暮らして培った絆は今も消えていないはずだ。
「サバタの事は今度本人を交えて対策を練るとして……現在、本局でファーヴニルへの対策が進められているわ。でも各管理世界への伝達が遅くて、上手く防衛陣を組めていないみたい。例外はニダヴェリールにほど近い座標の世界なんだけど、こちらはラジエルが主体となって素早く防衛陣を組んだそうよ」
「もう準備出来たのか!? まるで独自の情報網を持っているぐらいの速度だが、それでもラジエルの人達は本当に優秀だな……。それに比べて、相変わらず管理局の対応速度が鈍重なせいで、余計な被害が増えてしまう! 少しはラジエルを見習ってほしいものだ!」
何と言うか、組織のデメリットを今まさに目の当たりにしている気がする。対応が遅い本局に、クロノがもどかしく思って憤慨する気持ちもよくわかる。実際、私達も呆れるほどだもの。
「ラジエルはこのまま防衛陣を拡げていって、管轄内の被害を最小限どころか皆無を目指して行動しているわ。一方、本局を中心とした防衛陣は本局とミッドチルダ地上本部との連携が上手く行かず、作業が難航しているとの連絡が入っているの」
「こんな状況なのに、どうして同じ組織の人間として一丸となって立ち向かえないんだろうな……。地上本部は一体何を考えているんだ?」
『多分……地上本部がせっかく育てた局員を、本局が引き抜き過ぎた恨みのツケが回ってきたんだと思うけど……』
管理局の情勢はまだ私もよくわかってないんだけど、母さん達がぼやいた言葉から察するに、本局と地上はあんまりいい関係じゃないみたい。このままじゃ、絶対存在とイモータル相手に勝てる訳が無いよ……。
「そして今の話を知った後に伝えるのも何だけど、管理局所属の魔導師は全員ミッドチルダへ集まるように指示が出ており、私達アースラは現在、ミッドチルダへ急ぎ向かっています」
「道理でアースラが動いてたんですね。でも全員に指示が出てるって、さっきの話を聞く限り、ラジエルの方の防衛陣に参加している管理局の魔導師もいるようですけど?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ