暁 〜小説投稿サイト〜
オリジナルストーリー
情報進機-インフォメイザー-
第0機 zero -戦いの序章-
[2/11]

[1] [9] 最後 最初
いた。

「戸締りは‥‥‥‥‥」

僕はそうつぶやきながら首を曲げて
電気が消えて暗くなった室内を玄関から見渡した。
正直、ここから全て見渡せるわけではないのだが
寝る前に戸締りをした昨日の自分を信じることにした。

「行ってきます」

誰もいない室内に見かってそう言うと
僕は扉を開けて外に出て、鍵を閉めた。



    **********



「ふわあぁぁ〜〜〜‥‥‥‥‥‥」

僕は大欠伸をした。とりあえず口は押さえた。
やはり、まだ起きたばかりなので少し眠たい。
だが、学校に着くまでにはおそらく覚めるだろう。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

僕は辺りを見渡した。
通行人が何人も僕の隣を前から通り過ぎていく。
後ろから自転車に乗ったサラリーマンが抜き去って行った。
電柱の上をハトが飛んで行く。あ、スズメもいるようだ。
車道では、軽自動車やトラック、バイクなどが
いつもと同じように規則正しい方向へと走っている。
読者もご存知の、ごく普通の風景だ。
だが、一つだけ大きく違う点がある。それは―――――――



―――――――この世界は"情報社会"であるということだ。



情報化社会ではない。"情報社会"である。
例えば、あの男性を見てみよう。

「よいしょっと」

 ガチャ

ハンドル付近とケーブルで繋がっている
腕輪のような物を手首に取り付けた。
シートに掛けていたヘルメットをかぶると
ポケットからバイクのキーを取り出して
鍵穴に差し込み、右に回した。

 ブルルルルル‥‥‥‥

バイクにエンジンがかかり
歩道から車道に入り込むと
そのままどこかへと走り去って行った。


これでは、分かりにくかっただろうか。


それならば、向こうにいる女性を見てみよう。

「あっ、充電切れかかってる」

そう言いながら彼女は電話ボックスに入った。
いや、正確にはあのよく見る緑色の電話は中にはない。
その代わりに、中にはガラス製の大きな箱があった。
それはマンションのポストのように区切られていて
その中の"携帯機器用"と書いた紙が貼られている所から
先にプラグの付いているコードが伸びた腕輪を取り出した。
盗難防止の為か腕輪とケースはワイヤーで繋がっていた。

 カチッ

彼女はそれを手首に取り付けると
コードの先のプラグに携帯電話を差し込んだ。
すると、みるみるうちに電池の残量が増えていき
あっという間に満タンになった。

「次からは気を付けとこ」

それを確認すると、彼女は先にプラグを外し
手首から腕輪を外してケースに直し込んだ。
そして、携帯電話を操作しながら歩いて行った。



[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ