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1話 ー序章ープロローグー

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憂鬱な毎日で構わなかった。

憂鬱な日々を過ごしていれば人生とかいう物は、勝手に過ぎ去ってくれる。

まるで、1.5倍ぐらいのスピードで時間は過ぎてゆく。

そんな毎日を、僕はいったいどれくらい過ごしただろう?

体感では5年ぐらいだが、もしかしたら10年ぐらいたったかもしれない。

それぐらいの曖昧な日々を過ごしていた僕に、突然その「力」はやってきた。

人に強い怒りを覚えると、その力のせいで暴走してしまう。

その人が気絶するくらいまで暴れて、やっと暴走は止まる。

正直、この力は嫌いだった。

望みもしないのに暴れて、やがて収まる。

そのせいで、まあまあ仲が良かった友達からは怖がられ、女の子からは避けられて、大人には要注意人物とされる。

そんな毎日に嫌気がさして、学校に通わなくなった僕にその連絡は来た。

電話の主が言うには、僕の「力」は制御できなければとても危険だと、そして、その力を制御するための学校があるといわれ、僕はその学校に行くかと聞かれ二つ返事で了承してしまった。

今思えば、あれは運命と呼べることかもしれない。

そのせいで、悲しいこともつらいこともたくさんあった。

でも、すべてが終わった今、もういちどあの日々に戻れるとしたら、僕はなんのためらいの無く、あの日々に戻るだろう。

あの子にもう一度会えるのなら、僕は、





死んだって構わない。

そう、思えた。


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