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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第102話 鉄拳正妻……?
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それは、キリトにとっても……、クラディールが消えてしまうまでの時間、それは長い長い時間だった。
殺人を犯してしまった事への後悔も当然あるが、今はそれどころではない。クラディールが消えても……、不安は否めないのだ。キリトはそれでも、懸命に周りを確認した。
クラディールの最後の言葉。
まるで呪詛の様な言霊。
それを聞いてしまった今……、このままでは危険すぎる。
この場所にはアスナだっている。……彼女を、守らなければならない。例え、己の命に変えてでも……守らないといけない。先ほどの様に動けない自分じゃない。今動ける以上は。
そして、辺りを警戒し、そこで目に入ったのは……。
「ぁ……。」
後ろ……数10m程先にいた2つの影。一瞬、奴等が来たのか……?と絶望感を味わったが、それは違うと判断した。キリトはあのクラディールが死の間際、感じた印象とは真逆の印象を感じる。
『………』
1人は、よく見知った容姿、銀色の髪……そして長い刀身の武器。1人は、自分の愛する女性と瓜二つとも言える容姿、髪はやや短い栗色の髪。
そこにいたのは、リュウキとレイナだった。
リュウキは、キリトがこちらに気がついた事を悟ると、軽く頷き……。そしてレイナも軽く手を振った。その表情は心底安堵している様子だった。言わなくともキリトには伝わった。
『この場はもう安全だ。……視ている』と、言ってくれているのが眼で伝わった。
リュウキとレイナの2人はそのまま……町方向へと歩いていった。レイナはアスナの方を指差していた。……状況が状況だったから、レイナも姉の方へと飛び出したかったんだけど、リュウキに止められた。
それは、2人きりにさせたいとかそう言う類ではなく、この場を警戒する為だった。
まだ、何が起こるか判らない。不用意に動く事もそうだし、アイツ等がまだ近くにいないと言う保証は何処にもない。
今はキリトも部位折損をしており、万全とは言い難いから、辺りを警戒しておかないと危険すぎるのだ。
幸いにも、町方面に自分達がいて、キリト達側はダンジョンの入口だ。流石に、わざわざ上の層から、下へ降りてきて、更に迷宮区を抜け、ダンジョンを抜けて襲ってくる様な手間をするとは思えない。故に何かをしてくるとしたら、確実に町側であるコチラからなのだ。
キリトはその瞬間身体の力が抜けた。
助かった安堵感、だが まだ驚異がいると言われていた絶望感、そして守られた安心感。それらの感情が入り乱れて……、膝をつき……肩の力が抜けた。そんな姿を見たアスナは……ゆっくりとキリトに歩み寄った。
「……ごめんね。……わたしの、わたしのせい……だね……」
悲痛な表情で、震える声を絞り
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