暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第101話 殺意と純白の天使
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、2人はキリトがいるであろう場所。アスナが向かったであろう場所に、第55層へと急いで向かった。

 そして、ある事実も知る事になった。

 ゴトフリーとキリトと共にいる人物が。

 《クラディール》だと言う事実を。

 そして、ゴトフリーが消え、キリトとクラディールの2人になっている事実を。






〜第55層・廃れた渓谷 入口〜


 キリト達は……正に絶体絶命だった。それは、訓練の休憩中の事だった。ゴトフリーが配布した食料の中の水に麻痺毒が仕込まれていたのだ。その水を用意したのが……もう1人、キリトとゴトフリー以外の男。嘗て、キリトと決闘をし打ち負かした男。

 アスナとレイナにとっては心底嫌悪する男。《クラディール》だった。

 その表情は狂気の表情。
 奇声の様な雄叫びを上げながらまずゴドフリーを殺した。毒のせいで動けず……、死の恐怖に襲われながら……、そのままその魂は四散した。キリトはこの時のクラディールの様子から、正規ギルド者じゃないと言い放った。そう……、犯罪者ギルドの方が似合いだと。その疑念に、クラディールは笑いながら答えていた。そして、腕の紋章を見せ……、告白したのだ。

――……自分は笑う棺桶(ラフィン・コフィン)のメンバーだと。

 そして、キリトの身体にも剣の刃をつきたてた。徐々に奪ってゆく生命値であるHP。でも、それを見てもキリトは、何処か遠い目をしていたんだ。ここで、死ねば……ひょっとしたら、現実へと戻れるかもしれないと言う希望も一部は残されていたんだ。そう考えれば……、死の恐怖も少しは薄れるんだから。

 キリトは……そのHPが赤に差し掛かった時に……、心臓を鷲づかみにされるような気配がしたんだ。脳裏に鮮明に浮かび上がるのはアスナの笑顔だった。もし、自分がこのまま死ねば、今自分を襲っているこの狂人の手にかけられてしまうかもしれない。この狂った世界で取り残されてしまうんだ。

――……自分は……まだ死ねない。

 キリトは、そう強く思い クラディールの剣をつかんだ。その行為はクラディールをより一層狂気の笑みを浮かべていた。

「そうか! なんだよ、やっぱ死ぬのは怖えェってのかぁ?」
「そうだ……、オレはまだ死ねない……」
「カッ!! ひゃひゃ!! そうかよ! そう来なくっちゃなぁ!!!」

 クラディールは両手で剣を突き刺すのに対し、キリトは片手。様々な補正がかかるが、筋力値的にはどうしても押し負けてしまうんだ。徐々に身体に近づくように突き刺さってくるその剣。
残り少ないHP。

―――……ここまでなのか?

 キリトの頭にその言葉が過ぎる。皆を置いて、アスナを置いて……この狂った世界へ残して……逝ってしまうのか?

「くひゃひゃひゃ
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