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零から始める恋の方法
ダークマター ~Ninety Five~
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のに。


 「と・・・とりあえず煮込んだりするのは想夢たちに任せておこーねー。私たちは食材を斬ろうねー」


 ん?
 なにかが違うような・・・まあ、いっか。


 「包丁ぐらいは使ったことあるよね?」


 「ええ、さすがに石包丁とか使ってませんよ?」


 「んじゃあ、はい」


 「あ、ありがとうございます。それと人に渡すときはこう・・・刃を向けないように渡してくださいね」


 こういうところをちゃんとしておかないと万が一のこともある。
 流石に前半からトマトケチャップを見るような真似はしたくない。


 「はーい。なんか雪ちゃんお姉さんみたいだね!」


 「・・・お姉様とおよ・・・」


 「じゃあ、私はこれね」


 最後まで言わせてよ。
 ちょっと「オホホホホホホホホ!!」とか口もとに手刀をあてつつやりたいじゃない。


 てか、それ包丁じゃないよね。


 「あの・・・それって料理できるんですか?」


 「私はいっつもこれ使ってるよ?」


 楽しそうに姉妹でお湯を沸かしてる紗由利さんを『なんでこいつ鋸なんて使ってるの?』と目で訴えてみると『たぶん大丈夫』と還された。
 ・・・不安だ。


 「あの・・・包丁使いましょう?まだ包丁ありますし・・・」


 「いやあ、この|刹那狂閃(せつなきょうせん)は職人に作らせた名刀ならぬ名鋸・・・。そこらの正宗よりもよっぽど切れ味がいいよ!」


 なんで比較対象が日本刀なんだろうか・・・。
 しかも、料理に日本刀以上の切れ味を期待して何をするんだろう?
 下手したら台所ごと斬れるんじゃないだろうか。


 こうして、若干不安になりつつも数十分後には無事完成した。





















 「はい、ではみなさん。手をお膝に置いて」


 「「「「いただきまーす!」」」」


 カレーだけだと物足りないということで、比較的まともに料理ができる私と紗由利さんでスープを一品用意しておいた。
 鶏肉で手っ取り早くダシをとり、野菜で脂味を緩和したあっさりめの味付けだ。


 因みにその間残り二人は料理に飽きてゲームをしていた。


 「利英ねーさま、このスープおいしいねー!」


 「そうだねー!流石!紗由利!よっ、料理長!!」


 「雪菜さまの味付けがうまかっただけです」


 正直言って、一人で家事をこなしているというだけあって紗由利さんの料理スキルはすさまじかった。
 千切りをさせれば残像が見え、目測で既定の量を小数点第四位ぐらいまで正確に測り取ったりなど、相当人間離れし
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