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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第100話 血盟騎士団・キリト
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「だって……私は君を守る方だもん」
アスナは……そのままキリトを包み込むように胸に抱いた。柔らかく、暖かな抱擁。アスナの優しさがキリトを包み込んだ。
――……キリトはこれまでにあの事件を忘れた事など一度たりともない。
あの時……ケイタに、『お前のせいじゃない。』と言われたけど、サチに、『……抱え込まないで。』とも言われたけれど……、それでも あの時の事は脳裏にずっと刻み込まれたんだ。初めて出来た仲間達の断末魔は……ずっと……ずっと……、脳裏に残り、消える事はない。リュウキにだって何度も言われた。自分は頷いていたんだけれど、きっと自分自身を赦す事が出来なかったんだ。当然だ……これは赦される事じゃない。
死者はもう戻ってこれないんだから……、償う事は出来ないんだから。
『……生き続ける事が弔いになる』
そうサチに言っていたリュウキ。キリトにも言える事、と言われたが、それでも……リュウキのあの言葉は、あのギルドの生き残り、残されたメンバー達に込められた言葉として自分自身には受け入れる事が出来なかった。
だけど……この時。
アスナの優しさに包まれたこの時。目を瞑ったその暗闇の中で、キリトは、あの時のメンバーの顔が見えた気がした。
――……テツオ、ササマル、ダッカー。
その暗闇の中で、確かに彼らが笑っているように見えた。初めて見て……まぶしく感じたあの時のままに、光に向かって歩いていく姿が見えた。
そう……、キリトの目には見えたんだ。
「レイナ……、少し出よう」
リュウキはレイナにそう告げる。
無言で頷いたレイナはそのままリュウキの腕に抱かれたまま部屋を後にした。
2Fの部屋の外、廊下に備えられている2Fの窓の前。丁度良くエギルは買出しに言っているのか、店は閉まっており誰もいなかった。
「……リュウキくん、私……私……、そんな事があったなんて知らなかったよ。……何も……知らなかった。……何で、どうして 2人にばっかりっ……」
レイナは まだ、涙を薄っすらと浮かべながらそう言っていた。ずっと、何故? と思っていた。
助けてくれた人達が、一番救ってくれている人達が、何でこんなに苦しい思いをしなければならないのか、と。
「……確かにあったな。あの時の事は……俺としても、辛い記憶だった。……オレ自身の記憶を揺り起こす切っ掛けの事件だから」
リュウキも窓の外を見ていた。そして、あの時のことを思い返す。両手をついて……絶望に顔を歪ませているキリト。その慟哭がダンジョンに響くその場面。
脳裏に浮かんだんだ。
そして、その姿が重なって見えたんだ
――……サニーを失った時の自分の姿と。
「……リ
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