暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第99話 神聖剣 vs 二刀流
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た。それを聞いたキリトはゆっくりとした動きで立ち上がる。背中に交互して吊った二本の剣を同時に少し抜き……、“チン”と音を立てて鞘に収めると同時に歩き出した。

 目の前、右側にアスナ。左側にレイナがいて……、そして最後にリュウキが腕を組み目を瞑っている。
 控え室の扉はもう開かれており、そこから四角く光が漏れてきている。

 それはまるで光への入り口。先にあるのは勝利か敗北かは判らない。キリトが扉に近いリュウキに近づいた時。

 リュウキは片目を開いて、キリトに向けて拳を突き出した。キリトもそれに答えるように拳を挙げ……。

 コツンっ、と拳をあわせていた。

 戦いの時はいつも2人はこれをしている。例えそれが、1対1の決闘(デュエル)だろうとそれは関係ない様だ。

「……暴れて来い」
「ああ」

 短い言葉だがリュウキからの激励を受けたキリトは、その光の中へと入っていった。








 円形の闘技場を囲む階段状の観客席は……、リュウキの目でも空席を見つけるのが難しいほどぎっしりと埋っていた。それは軽く千人はいるのではないだろうか。その最前列にはエギルやクラインと言った顔見知りも見えた。

「さて……と……」

 リュウキは、闘技場の入り口……キリトが出て行った扉にもたりかかりながら両雄を眺めた。

「……どう思う? リュウキ君」

 レイナも隣でキリトを見ながらそう聞く。リュウキは少し目を細めながら。

「……どうだろうな。互いのLv、それにステータス数値、パラメーター的には同じ攻略組だ。殆ど五分だろう。……キリトは ややSTR―AGI型、ヒースクリフはこれまでで見た所バランス型、優劣は付けれない。後は……ゲームセンス、間合い取りの上手さ、当て感、場数……何処をとってもキリトが劣っているとは思えない。だから……」

 リュウキはヒースクリフのその武器を視た。

「団長のスキルとキリト君のスキル……それが明暗を分けるって事?」

 直ぐ隣で2人の会話を聞いていたアスナがそう聞いた。

「……だろうな」

 リュウキは肯定する。普通のスキルならば、あまりにもレベルが離れてさえいなければ どうとでも対処は出来るだろう。だが、キリトとヒースクリフの≪それ≫は違う。
 この世界で2つとないスキルを其々が持っているのだ。そして、レベル的にも、……全てが同等とくれば……、手持ちの武器が明暗を分けてもおかしくない。

「……結果は直ぐにわかるだろう。恐らく勝負が長引く事は無い」

 リュウキはそう言うと親指を二人に向け、視るようにと促した。予想はあくまで予想だからだ。もう……デュエル開始まで後10秒を切っているのだから。




 その中央の巨大な電工掲示
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