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炎の中の笑み
第四章

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「一連の事件で」
「関連性があると思われる殺人事件ではな」
 鋭利な刃物で切り刻まれて惨殺されているのはだ。
「そうだ」
「ですね、風俗嬢をただ憎む奴ですか」
「そいつが何者かだ」
「そうですね、それなら」
 このことまで考えてだ、そしてだった。
 本郷は役にだ、あらためて言った。
「犯人の手掛かりですね」
「感じ取れたな」
「この憎しみの情念は」
 事件現場に残っているそれもだ、本郷は感じ取っていた。それは役も同じでそれで二人もここで話すのだった。
「女のそれですね」
「そうだな、これはな」
「女で風俗嬢を憎む」
「彼氏なり夫を奪われたと思うか」
「どうでしょうか、いや」
 本郷は気配を察し続けていた、現場に残っているそれを。
 そうしてだ、また役に話した。
「これは」
「違うな」
「何かもう異様に」
「ただひたすらだな」
「風俗嬢が憎い」
「宗教的なまでにな」
「穢れを嫌う様な」
 二人で現場に残っている犯人の情念を察しつつだ、二人は語っていった。
「そうした感じですね」
「穢れを嫌うのなら神道だが」
「風俗嬢、娼婦ですね」
「そうだな」
「娼婦を嫌う宗教というと」
 本郷はその宗教は何かということも考えた。
「キリスト教ですかね」
「そうなるな、キリスト教でだ」
「女の犯人ですか」
「答えが近付いてきたか」
「ですね、女の犯人で風俗嬢を憎むキリスト教の関係者」
 強烈な穢れを嫌う意識のあるだ。
「それは誰か」
「式神を増やすか」
 先程飛ばしたそれのというのだ。
「はい、そうして犯人を探しましょう」
「キリスト教だ」
 役はここでのキーワードを出した。
「あの宗教ならな」
「ええ、東京にも多いでしょうが」
「限られるな」
「しかも風俗嬢が多くいる場所だろうな」
 このことは推理だった、役の。
「そこを調べるか」
「それじゃあ」
 こうしてだった、本郷は再び白い鳥に変わる札を出した。それは役も同じだった。そうしてだ、彼等はだった。
 都内を式神で調べさせた、すると。
 その日のうちにだった、二人は確信することになった。
 都内のホテル、そこに二人で買って来たビールを飲みつつだ、本郷は共に飲んでいる役に対して言った。
「明日に、ですね」
「この仕事を終えられるな」
「犯人はわかりましたから」
「後はな」
「その犯人を警察に突き出すだけですが」
「突き出すにしてもな」
 それでもというのだ。
「そう上手にいくか」
「俺達の仕事のタイプからして」
 そこから考えてだ、本郷は役に言った。
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