暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第97話 ユニークスキル
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HPがなくなるぞ?」

 直ぐ隣で、いたキリトが冗談めかしてそう言っていた。倒れてはいないものの、キリト自身もあの力、そしてあの相手との対峙は相当な負荷だったようで肩膝をついて、残った剣を杖にしていた。だが、意識ははっきりしているようでリュウキがどう思っているか、察したように助け舟をだしていた様だ。だが、リュウキの相手はレイナ。そしてキリトの相手は別にいた。

「もう ばかっ!! キリト君だって同じだよっ! 2人してほんっとに心配かけすぎなんだからっ!!」
「むぐっ!!」

 キリトの傍でしゃがみ込んでいたアスナは咄嗟にキリトの口を閉じようとキリトの口に小さな瓶を突っ込んだ。それは、録茶にレモンジュースを混ぜたかのような液体《ハイ・ポーション》だった。
 それを一気に飲み干したキリトは、5分もしない内に、数値的には全回復するだろう。

「……オレには普通に頼むよ。……レイナ。心配かけてすまなかった」

 リュウキはその2人のやり取りを見て苦笑いすると、レイナにそう言っていた。
キリトの言うように、自身の視界の端に見える命の値。HPが危険値まで低下しているのがわかったからだ。もう、危険は無いが リュウキ自身以外にもリュウキのHPは見る事が出来る。
 こんな状態では安心させる事が出来ないだろう。……目の前の女性には特に。

「ッ……」

 レイナはまだまだ、抱きしめていたかったんだ。……間違いなくリュウキは、無事だった。この温もりは嘘じゃないんだと、ずっと抱きしめていたかったんだけれど、リュウキの言葉を聞いてアイテムストレージからアスナ同様にハイ・ポーションを取り出してリュウキに与えた。だが、極限の中での戦闘だった為か、……或いは、あの≪眼≫を使った後遺症なのか、リュウキはまだ、手が震えているようだった。渡されたハイ・ポーションの蓋を開けれなかった。それを、そっと手を宛がって手助けをするレイナ。その時、小さな声でありがとうといっていたリュウキの声。
 その声が再び安堵感をレイナに与えていた。

 そして、その後、ゆっくりとクラインが近づく。

「……コーバッツの他に2人やられた」

 状況を伝えているその表情は歪んでいた。クラインの……気持ちは痛いほどよくわかる。いや、判らない者など、この場には1人としていないだろう。

「……そうか」
「………」

 それは勿論リュウキもキリトも同じだったから。キリトも顔を背ける。自身の苦い記憶の中に思い出させる光景があったんだ。

「……BOSS攻略で犠牲者が出るのは67層以来……だな」

 そう、嘗てBOSS攻略で犠牲者が出た事は勿論あったんだ。趣向を凝らし、作戦を密に立てて、万全な体制だったとしても、常に完勝……と言う訳じゃないんだ。そんな中でクラインだ
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