暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第96話 白銀と漆黒の挟撃
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イナはスイッチを行う為に来たと解った。……だが、この相手はこれまでとはまるでレベルが違った。

 複雑化されたその複数の攻撃パターン。そしてアルゴリズムの異様な、異質な変化。直前でまるで気が変わったかのように攻撃の軌道を変えるその太刀筋。まるで、人間、プレイヤーが操っているかのような行動。巨体に似合わないその剣速。

 そして、その精度はHPを削れば削るほどに、その凶悪さは更に増していくんだ。リュウキは、集中力を切らしたその瞬間、HPを大幅に削られると悟った。
 下手をしたら、命の全てを持っていかれてしまう事を。

 レイナの実力を決して信じていないわけじゃない。
 それは、共に攻略をしてきたリュウキは、その実力はよく知っている。だけど、この巨悪の前にして、正面でスイッチをするなんて……、彼女にそんな危険な事させられなかった、させたくなかったのだ。

 そして、もう1つ理由はある。この今の状況が最悪な事。

 まだ、このエリアには軍の連中が視界の中で7人倒れている。そして、目の前の悪魔がいつ自分じゃなく他に、気が変わるとも限らない極限の状況。その上、フィールドに渦巻いている青白い炎にも どうやら読み通り攻撃判定があった。あの青炎が動きでもすれば、一気に倒れているプレイヤー達の残り少ないHPを削りかねない。
 これ以上は誰も死なせたくないリュウキにとっては、一瞬の手の判断もミスる事が出来ないし、そして今は人数をかけなければ、彼ら全員を助ける事は出来ないのだ。


 それは、青眼の悪魔の背後を取ったキリトやアスナも重々理解した。敵の背後を取った。圧倒的に有利な状況だと言うのに、それはまるで隙が無いかのような姿だったんだ。飛び掛ったその刹那にあの巨体の野太刀で切られてしまうかのような、予知能力に似た映像に襲われたんだ。

 ぎゅんっ!!!と言う風を斬る音がした、と感じた瞬間、キリトは、その感覚は間違えていなかったと悟る。リュウキの剣を弾きその勢いのまま遠心力を活かし、後方のキリトへ切りつけたのだ。

 それは刀スキル≪旋車≫。

 全方位攻撃スキルなのだが、キリトはそのスキルの予備動作を見切ることが出来なかった。今まで腐るほど見てきたスキルだと言うのにだ。

「ッああああああッッ!!!」

 キリトは辛うじて防御する事が出来ていたが、これまでの攻撃とは、まるで重さが違った。アスナは、キリトの背後にいたから、彼女にまで衝撃が届く事は無かったが、気圧されてしまったのだ。

 キリトが、押し切られそうになっていたのを見たリュウキは即座に動いた。そして、極長剣を突きの構えを取り、切っ先を悪魔の腹部へと突き立てる! ずんっ!!! と言う鈍い音を響かせて。

“極長剣上位スキル”《“レイジング・ドライブ》

 そ
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