暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第95話 悪魔の懐に
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


 そして、到着したのはBOSS部屋の前。
 その巨大な扉は、既に開かれていた。この扉はプレイヤーが開放しなければ決して開かない仕様になっている為、自然に開いたりと言う事は、まず有り得ない。即ち……彼らが間違いなく入ったと言う事だ。

「おいっ!! 大丈夫か!!!」

 キリトは到着するとそう叫び声を上げる。そして、部屋の状況を確認した。

 だが……それを一目見て思わず絶句してしまう。

 部屋の中央に陣取るかのように構えているのがあの蒼い悪魔だった。

 そして、入り口とは反対側に追い詰められている軍のメンバー。もう、その陣形は崩されており倒れ伏しているものもいた。何より、蒼い炎が連中を囲っている。
 あれにもしも、攻撃判定があるならば、下手に逃げようものなら、その炎に焼かれHPを瞬く間に削られてしまうだろう。

「グルオオッ!!!」

 崩壊しかけているパーティに一太刀を震わせる悪魔。軍のメンバーは、武器・盾で防御をするが、それはあまりにも頼りなかった。その武器は圧倒的強者の一撃から守る事などできず 一撃でその武器・盾は続けて四散。その衝撃でメンバー全員が吹き飛ばされてしまい更にHPを削る。

 最早、一刻の猶予も無い。

 それを見たキリトは、空気を瞬時に大きく吸い込むと。

「何をしてるッ!! 早く転移結晶を使え!!」

 そう軍の連中に叫んだ。それが残された唯一の脱出経路だから。

「ッ!!!」

 リュウキは即座に集中し、あたりを視渡す。そして、恐るべき事実に気がついた。あの時、この部屋に脚を踏み入れたその時には、気づかなかったその事実を。

「だ、駄目だ! 結晶が……使えない!!」

 1人の男がそう叫びを上げた。その絶望的な言葉を。

 そう……このエリアでは結晶アイテムが無効化されていたのだ。

 リュウキの感じたそれは、あの場所と同じだと言う事を感じたんだ。そう……あのギルドが壊滅しかけたあの場所と。

「そ、そんな……。」

 アスナは思わず口元に手を当てる。

「これまで……BOSSの部屋でそんなトラップなかったのにっ!!」

 レイナがアスナが言おうとした事を先に口に出していた。彼女が言うように、確かにこれまでのBOSSの部屋ではそんな類のトラップは存在しなかった。だからこそ、攻略組の皆は、少しずつBOSSに挑みその攻撃傾向……、スキルの有無等を確認しつつBOSS攻略の糧にして来たんだ。だからこそ、ここまで来る事が出来たと言ってもいい。

 もう……ここから先の相手にはそれさえできない。

 真の意味で命を賭した戦いしか……出来ないんだと言う事実を突きつけられたのだ。

「全員!! 逃げる事だけを考えろ!! お前らじゃソイツに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ