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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第95話 悪魔の懐に
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は勝てない! ソイツは体術は使わない可能性は十分にある! 武器を持ってない方の腕目掛けて回避しろ!! 全力で逃げろ!!!」
リュウキは即座にそう叫んでいた。少し視ただけだ、隠しだまもあるかもしれないが今の所はパターンが異常に変化したりはしていない。そもそも、BOSS部屋で結晶無効化のトラップがある時点でかなりの難易度になっているんだから。
その上、これまでの様にアルゴリズムの大規模変化……彼が口にする言葉、変わっていたりもしたら……、それは凶悪極まりない。
だから、リュウキは今視たBOSSの情報だけを叫んでいた。彼らが逃げられる様に。この地獄から早く解放される様に。
……だが。
「何を言うか……ッ!! 我々解放軍に撤退の二文字はありえない!! 戦え!! 戦うんだ!!!」
リュウキの言葉を無視し、そう叫び声を上げたのはコーバッツだ。
「ッ……! 馬鹿野郎が!! 仲間をなんだと思ってるんだ!」
コーバッツのその声に従っているのか…、或いはもう冷静な判断が下せないほど混乱しているのか……。その場にいた連中は逃げに徹しきれないでいた。
そして、よくよく彼らを見てみると……先ほど出会った軍のメンバーが何名か少なくなっている事に皆が気がついた。ここでは、結晶は使えない。つまり……逃げるとすればこの扉からしかないんだ。……ここに来た道でこの場にいないメンバーには誰も会っていない。……それが何を意味するのかは、最早明白だった。
彼らは……、死亡したんだと言う事を。
「お、おい!! どうなってんだ!!!」
クラインが少し遅れて漸く追いついてきた。他の6人のギルドメンバーも同様にだ。
キリトが手早く状況と事態を伝えた。結晶の無効化エリア、逃げに徹しない軍の連中。それを聞いたクラインの顔は歪む。
「な……何とかできないのかよ……」
「ッ……」
クラインの言葉を聞く前から、キリトは考えていた。ここから、切り込めば敵の意識はコチラにも向く。つまり、意識を軍の連中からそらせることは十分に可能だ。だけど、緊急脱出不可能なこの空間で、コチラに死者が出る可能性は捨てきれない。それは、例え、全プレイヤーの中でもトップクラスだと思えるリュウキがいたとしても。
だが、アインクラッド後半の層では、明らかに単独撃破は不可能とも思える程BOSSの性能は上がってきている。
だからこそ、リュウキ自身もレイドを組むときは決して1人では行わなかった。いや……周りがさせなかったと言うのもあると思うが、状況はリュウキにもよく解っている様子だったんだ。相手の手の内を見るだけなら兎も角、仲間を生かす為の命を懸けた戦いとなるとかなり厳しいのだ。
それらを踏まえてでも……、今現在、この場にいる数が少なす
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