暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第92話 姉妹の秘蔵の味
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味覚再生エンジンに与えるパラメータをぜ〜〜〜んぶ解析して、これを作ったの。こっちがグログワの種とシュブルの葉とカリム水」

 そう説明しながら、アスナはバスケットから小瓶を2つ取り出し、片方の栓を抜いて人差し指を突っ込んだ。どこか、形容しがたい紫色のどろりとしたものが付着した指を引き抜き言う。

「ほら、口をあけて」

 キリトは、ぽかんとしながらも、反射的にあんぐりと開けた大口を狙って、アスナがぴんと指先を弾いて、その雫を飛ばした。それを味わったその瞬間、キリトの表情は驚愕で満ちていた。

「……これ、マヨネーズだ!!」

 アスナはその表情にとりあえず満足すると続けて。

「で、こっちがアビルパ豆とサグの葉とウーラフィッシュの骨」

 その調味料も形容しがたい形状・色だったが……、再び指からはじき出され、口に飛び込んだと同時にキリトはさっき以上に興奮する。
 何せ、間違いなくその味は……。

「こっ……この懐かしい味は!! 醤油ッ!!!!」

 そう発したと同時に、キリトはアスナの指を捕まえてぱくりとそのまま自身の口で咥えた。

「きゃあっ!!」

 アスナは悲鳴と共に指を引き抜いたアスナは、キリトをギロッと睨む。あまりの感動に思いもよらぬ行動を取ってしまったキリト。
 だから、直ぐに手を上げて降参をしていた。

「あははっ! 大胆だね〜キリト君」

 レイナは、指をぱくりと咥えたキリトを見て思わず笑っていた。アスナは睨んではいたけれど、実の所は凄く嬉しそうにも見えるんだ。多分……、姉は当分 手洗わないだろうな、と容易に想像がつくのだ。

「ははは……」

 リュウキは、そんな2人を眺めながら、レイナお手製のサンドイッチを頬張っていた。キリトほど、口には出してはいないが、リュウキにとっても、これは本当に美味と感じている。世界にはまだまだ、自分の知らない事、楽しむ事 それが沢山あること、それを改めて知ったんだ。
 嬉しいくないはず無い。

「はいっ! リュウキ君?」

 レイナはアスナに習い、小瓶から液体を指に乗せて差し出した。それを咥えるのは流石に恥かしいようなので、リュウキは苦笑いをしながら指で掬い取る。レイナは多少は不満はあったものの、恥かしがっているリュウキを見るのも楽しい!とか、レイナは思っちゃっているから結果はオーライなのだ。

「これ、シグルスの葉とレイヤーフィッシュの骨、マドロンの油で作ったの! どう?」

 レイナはニコリと笑いながらそう聞いた。先ほどアスナがキリトに味あわせた調味料とはまた違うモノの様だ。……リュウキは、受け取ったその液体を一舐めして表情が一変した。

「……ッ。なるほど、これは魚のフライのサンドには最高に合うな? 凄く美味しいよレイナ
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