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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第89話 決着・格の違い
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破壊したそれを見ているのだ。武器の急所とも呼ばれる場所、そしてその耐久値も見極める眼力。

 それは、全てあの男から教わった事だった。

 アスナとレイナは息を呑む。
 それは時間にしてコンマレベルの時間。そんな刹那な時間だったが、確かに2人は聞いた。キリトとクラディールが交錯したその瞬間に。

『勝負あり……』と言う一言を。

 それと同時に、すれ違い様になっていたクラディールとキリト。その表情は先ほどより一変していた。キリトは何も変わっていない。だが、クラディールは違った、わなわなと震えている。
 その手に持つ剣は根元からポキリと折れており、そのまま硝子片となって砕け散っていたのだ。

「ば……ばかな」

 そう一言だけ呟いていた。


「武器破壊……っ!」
「狙っていたのかよ……」

 歓声もそれと殆ど同時に沸き起こった。
 この武器破壊と言う現象は少なからず知っていたがその確率は異様に低く、実際に狙ってできる様なモノではないのだ。それが、一定のアルゴリズムで動くモンスターなら兎も角、様々な思考を持つプレイヤーとなれば尚更のこと。アスナもレイナもこの光景には驚きを隠せない。
 直前に確かに聞いた『勝負あり』の言葉もそうだ。その声はリュウキだと言うのも理解できた。どうやら、彼もあの速度の技を全て正確に視抜いていたのだろう。それもあるが、キリトとクラディールなら差はあるとは思っていたがよもや此処までとは思っていなかったようだ。
 ……改めて、キリトのセンスの高さを知った時だった。

 キリトは軽く剣を振ると、

「武器を変えて仕切りなおすのなら、付き合うが。もういいんじゃないか?」

 跪く様に伏しているクラディールにそう言うが、まるで聞く耳を持たなかったが、すぐさまウインドウで新たな武器を持ち直した。

「うおおおおお!!!」

 そのままの勢いで、キリトに斬りかかろうしたが。
 素早く割って入ったアスナが、そのクラディールの剣を弾き飛ばした。それを呆然と見ていたクラディールは。

「あ、アスナ様……、ち、違うんです!これは、ヤツが何か汚い手を! 武器破壊も……、何か仕掛けがあったに決まってるんです!でもなければ私が薄汚い《ビーター》なんかに……」

 慌てて、弁解を いや 負けの言い訳をしようと口を開くが。

「見苦しいぞ」

 そう一言いい、後ろで両手を組みながらゆっくりと歩きよるのはリュウキだ。そして、彼の極長剣がクラディールを見据える。

「……仮にも誇り高いと自称する血盟騎士が、負けた後に そんな情けない言葉を口にするな。……お前こそが恥を知れよ」
「………き、きさまぁぁ!!!」

 この男はキリトの次はリュウキの様だ。……矛先を何処へ向ければ気が済む
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