5部分:第五章
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「そうは言っていません」
きっぱりとした声でそう答えてきた。
「調べさせて頂いてからそれはわかります」
「そう。だったら」
彼女はここで懐に手を入れた。そしてパスポートや免許証を財布から出して見せるのであった。
「これでいいかしら」
「え、ええ」
それを見せられた婦警はキョトンとしながらも答えてきた。
「宜しいです。経営コンサルタントなんですか」
「そうよ。何に見えたのかしら」
「何と言われましても」
戸惑いを見せたまま答える。
「ちょっと。言葉には」
「ホストか夜の世界の住人に見えたのね」
「いえ、それは」
「隠さなくていいわ」
言い訳をしようとする婦警に笑ってこう述べてきた。今度の笑みは妖艶なものであった。
「そう思うのが普通だから。この外見だと」
「はあ」
「それでね」
今度は沙耶香が問うてきた。
「その不審者ってのは何なのかしら」
婦警の目を見詰めて問うてきていた。じっと離さずに。
「よかったら教えてくれないかしら」
「貴女にですか」
「そうよ」
また答える。
「いいかしら。それで」
その瞬間目が赤く光った。それが婦警の目に映った瞬間に彼女の目の光は消え去ったのであった。
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