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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第86話 SS級の晩餐
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トに匂わせるとも言っていた。以前、アスナが自分にしたように……と。
(難しそうだな……。オレも他人の事、言えない……。キリトも俺の様に解ってないとすれば……)
リュウキは苦笑いをしていた。キリトは解っていないんだけれど、本当に楽しそうだった。それは、アスナもレイナも同じ。こんな温かい空間にいられて……本当に幸せだって思えた。人と人の温もりをまた教えてもらったから。
ずっと……迷宮区に潜っていた時とは比べものにならないんだ。
「それで? キリトはどうしたんだ? アスナに会いに来たんじゃないのか?」
「っっ!! って何言ってんだリュウキ///俺はそのシェフを探してて……」
「りゅっ! リュウキ君までっっ!!」
「あはっ! リュウキ君も言うね〜♪」
リュウキも、一歩踏み出して、その温かな3人の輪の中へと入っていった。その日は、とても賑やか。温かくて賑やかな……何より居心地が良い空間が広がっていた。
アスナは暫く顔を赤らめていたが、すぐさま頭を切り替えた!
「さ、さーーて! 今日はご馳走だよ!? キリト君が持ってきてくれた食材、すっごいんだからねっ!」
そう言うと、アスナはレイナにそれを見せた。それを見たレイナは、アスナをからか……おほんっ!2人の仲を取り持とうと考えていた事が一気に吹き飛んだようだ。
「わぁっっ!! それっ!! それって! ラグー・ラビット!? S級食材だっ!!」
レイナは眼を見開いて驚いていた。S級の冠が付く食材はいまだ嘗てお目にかかってなかったからだ。そして、料理スキルを極めている身とすれば、一度はお目にかかりたい代物だ。……恐らくはもう、見られないであろうレア度を誇る食材。
『何よりその味も……どれ程のものなんだろう……?』
その事を考えただけでも涎が出てしまいそうだ。現実世界で言う三ッ星レストランを越える?とさえ思えるのだから。
「あの時のS級食材か……確かに凄く貴重だったな。……あ」
キリトが、そのラグー・ラビットを狩った事は当然知っていた。何故なら、その場に居合わせたんだから。そして、食材と言う単語を聞いて、リュウキはこの時ある事を思い出していた。
「……そうだったな」
そして、思い出すと同時にウインドウを呼び出し、アイテムストレージ画面を出した。
「ん?」
リュウキの側にいたキリトがリュウキの方を見た。
「オレも忘れていたよ。これを手に入れたことを。思い出して良かった」
リュウキはキリトにウインドウを可視化させ、キリトの方へと動かして見せた。チラリと見たキリトだったが……思わず二度見をしていた。
「……おおっ!? って、はぁっ!? リュウ……キ! これって……」
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