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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
21.友達
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「……もっとも、ミネットはそうでもなかったみたいだ。俺は別にミネットが特別な力を持っていたからファミリアにいれたんじゃないんだが……これもあの子との絆を深める時間を取れなかった俺の罪なのかもな」
「………失った時間は戻らないものだ。大切なのは、失ってしまった空白をこれからどう埋めるのか……ではないだろうか?これはきっと、相手が誰であろうと変わらないことだ」
「そうだな!では、豪快に1年ほど休暇を取ってたっぷりミネットと遊ぶことにするか!」
(ご、豪快すぎるッ!?この神、1年間ファミリアの活動をほったらかしにする気か!?)

 何となくだが、彼のファミリアは結構苦労してるんじゃなかろうかと想像してしまう。金の使い方が豪快な神は時間の使い方も豪快らしい。豪快に笑っていたガネーシャは、ぽかんとしているリングアベルに気付いて話を元に戻す。

「おっと、話が逸れたな!そろそろ順を追って話していこう……少年を狙った謎の存在について」
「………!!」
「まず、誓って言うがそれは俺ではない。そもそも俺も少年の事はそこまで知らないし、理由がないからな」

 ――それはここ数か月の話を、ミネットから簡単に聞いた話だった。

 ミネットはある日、自らの持つアスタリスクが黒ずんでいる事に気付く。
 いつ、どのようにその変化が起きたのかを彼女は全く知らない。ただ、得た筈の「ねこ使い」の力が衰えていくのをミネットは感じた。原因は分からないが、アスタリスクの黒ずみがその原因だと考えるのは無理のないことだろう。

 彼女はアスタリスクで得た力によってファミリア内でも高い地位を築いた。それが恩人であり主神のガネーシャの恩に報いる最良の方法だと信じて疑わなかった。だからこそ、ミネットはその事実に子供ながら強い焦りを覚えた。
 まるで悪戯を隠すように、彼女はその事実を他のファミリア達に隠すしかない。周辺はその異常に気付いてはいたが、子供特有の心境の変化だろうとあまり気に留めなかった。何より時期的に「怪物祭」が近づいていたために忙しさを増していったファミリアは、その異常を見落とした。

「そんな折、ミネットの下にある人物が現れたそうだ」
「……その人物が?」
「その人物は『ウルカグアリの遣い』を名乗った……ああ、ウルカグアリとは俺と同じ神の一人だ。1000年以上前から行方不明になっているらしいが、接点がなかったので詳しい事は知らない。だから必然、その人物が本当にウルカグアリの遣いだったのかは謎のままだ」
「ウルカグアリとは一体何の神なのだ?聞いたことがないから分からないんだが……」
「金属と宝石を司る神だと聞き及んでいる。そしてそいつは、その宝石を司る性質を使えば『アスタリスク』の光を取り戻せるとうそぶいた訳だ。………取り戻すのは一人のヒューマンの暗殺
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