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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第80話 1つになる想い
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 そう、自然にレイナに聞く事が出来ていた。
 でも、その言葉の一つ一つを言う度に、ありえないほどに心臓が脈打つ。デジタル世界だと言うのに、忠実に心の機微を。現実の全てをトレースしているようだった。

「う……うん。あのね……」

 この時レイナの方も必死だった。必死に、言葉を考えていた。そして、直ぐにリュウキの事が好きだって言いたかった。

 でも、凄く怖い。物凄く怖い。

 リュウキから、フラれてしまう事もそうだが、何よりも、拒絶されてしまうのが怖かった。彼女は、リズやアスナには大丈夫だとって言ってもらったいたから此処に来た。後は勇気だけだと2人に言われたから。

「……レイナ」
「はっ、はいっ!!」

 レイナが言おう言おうとしていたんだけれど……リュウキの方が先に声をかけていた。リュウキの表情は見た事のないものになっていた。真剣で、そして……申し訳なさそうに俯かせていた。

「……その、ごめん……な。レイナに今まで 不快な想いをさせた……」
「えっ……?」

 俯かせたまま、リュウキは頭を下げていた。

「いや……そんなっ……」

 レイナは思わず慌てていた。
 そんな事、言われるとは思っていなかったから。そして、それは聞きたい言葉でもなかった。

「あのねっ……私、私は……。「オレは…」ッ!」

 リュウキはレイナの言葉を遮るように……続けた。


「……守れない男なんだ。……レイナ。オレは《好きになった人》を守れない……。大切な時に、今までもそうだった。そしてきっと……、きっと、これからも そう なんだ。だから……レイナを、遠ざけて、たんだ……」


 リュウキは、悲しそうで、そして申し訳なさそうな、表情をしていた。
 そして、心の底から怯えている。それがよく判る表情だった。

「えッ………」

 逆に、その言葉にレイナは驚いていた。凄く驚いた。
 リュウキが悲しそうな顔をする理由が……わかった気がした事に。そして何より……リュウキの言葉の《好きになった人》と言う言葉、それを訊いて、顔が赤くなっていってるのがよく判った。

 そして、リュウキの言葉の意味、その根底もレイナは、理解する事が出来ていた。

「………勝手な想いだった。……オレだけの、手前勝手だって判っているんだ。レイナの事、勝手に1人で想って。その上、レイナに不快にさせた……。皆にも色々と迷惑をかけた。……最低だよな。オレが馬鹿だったんだ……」

 頭を下げ、俯かせていたリュウキだったが、もう レイナの方に向き直し、そして彼女の目を真っ直ぐに見つめた。

「……これからは、以前の様に戻る様に努力するから……。 すまない。少し時間を、くれないか。必ず……必ず元に……戻る「戻らなくていいっ!
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