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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第78話 リズの憂鬱
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コンコン、と扉からノックが聞こえてきた。時間は先ほど言ったとおり、もう、店じまいの時間帯だ。だけど、誰かが来たようだ。
《誰かが》とは言っているが、大体はもう解っていた。その扉の向こうに誰がいるのかが。
「はいは〜〜い! 開いてるよっ!」
リズは、イスに座ったままそう言う。そして、そのリズの声に反応し、店の扉が開いた。
「はい いらっしゃい」
リズは目で誰が来たのかを確認すると、軽く会釈をしていた。
「ああ……今日もよろしく頼むよ」
入ってきたのは勿論リュウキだった。さき程、『また使わせてくれ』と言うメッセージも貰っていたから、彼が来たことにはリズは別に驚きはしなかった。
そして、リュウキは装備を解除。身に着けていたフードも完全に外し簡単な部屋着に着替えた。
「さて……と……」
リュウキは工房の炉の側に。アイテムストレージから、1つをオブジェクト化。そして炉内に放り込んだ。どうやらインゴット。《金属素材》をオブジェクト化したようだった。
「おっと、そーだったそ−だった」
リズは、リュウキの側に来た。何やらわざとらしいけれど、リュウキは別に不審にまでは思っていないようだ。
「ん…?」
リュウキは振り返る。
「それでさ? 結局、今日言ってた用事ってなんだったの?」
リズはニコやか〜にそう聞く。その言葉にリュウキは ピクリっと動いた。
そして……僅かの沈黙の後。
「………秘密だ」
そう一言いうと、リュウキは再び炉に向き立った。
「へぇ〜 それは残念だな〜」
残念だと言いつつもリズは ニコニコと笑っていた。それはとても解りやすい反応だったからだ。リズの考え、そしてアスナの考えも的中した。あの用事って言うのは絶対にその場しのぎの真っ赤な嘘だと言う事を。だから きっと何かあるんだろうというのは間違いない。
決してリュウキはレイナを嫌っているのではないんだって思う。そして、嘘を言う人間にも見えない。
……だからこそ、ああ言う行動であらわすしかなかったんだと思う。
(む〜……いきなりはあれだし、もう少し間を開けたほうが良っか)
リズはリュウキを見ながらそう思う。
きっと歳下の男の子。……それも、きっと素は、ナイーブな男の子。慌てふためく姿……ちょっとまだ想像できない、非常に見てみたい!なんて思ったりしたけど、いじめになりそうだから止めた。
「はい、どーぞ」
リズはカップを取り出して、リュウキに差し出した。
「……ん? これは…?」
リュウキは再び振り返ると、リズからそれを受け取った。
「リュウキからは貰ってばっかりだしね? たまにはご馳走させてよ。まっ、そんなに良い物じ
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