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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第77話 涙
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突然、こんな場面を見てしまったんだから。だって、彼女はいつも……いつも、
《いつも笑顔だったから》
そう、いつも笑顔だったレイナ。
笑顔が似合うとよく言うけれど、レイナ程形容し易い娘は、いないって勝手に思っていた。その笑顔は同じ女である自分でも惚れ惚れするような笑顔だったんだから。
だけど、そんなレイナの顔が今、悲しみで覆われているのだ。
「レイ……」
だから……、リズは そんな彼女を抱きしめる事しか出来なかった。
その涙を……止めてあげたくて……、リズは彼女を抱きしめ続けた。
「どう……? 落ち着いた?」
リズは、暫く抱きしめた後……レイナをイスに座らせた。レイナは、無言だったが……僅かに頷いているのが見えリズは一先ずは安心できた。
「ご……ごめんなさ……い。リズ、さん……、突然……こんなトコ、見せて……」
レイナは、心が落ち着かない今の状態ででも、彼女はリズに謝っていた。悲しいのは自分なのに、本当に優しい娘なんだ。
「そんなのいいわよ! そんな事全然っ! でも……何があったの? リュウキと……何かあったの? 無理に、とは言わないけど、私でよければ相談にのるよ?」
リズは、レイナの手を握りながら……そう言う。レイナのその手はまだ震えていた。彼女は今まで、この事を誰にも相談しなかった。
キリトに言われた時も、『何も無いよ』と答えたんだ。
何故なら……先ほどの通り、嫌われていると言う事実を認めてしまいそうだったから。
でも、今はリズの言葉、その手の温もりは本当に温かかった……。だから、レイナは、ゆっくりと……顔を俯かせながら、ポツリポツリと、打ち明けていた。リュウキとの事を。
「そっか……なるほど、ね。」
リズはレイナの話を聞いて……腕を組んで考えていた。リズとリュウキとの付き合い。はっきり言って、それは物凄く短い。それは当然だろう。リュウキとは昨日知り合ったばかりなんだから。
でも、やっぱりどう考えたって想像が出来ない。
顔見知りでもあり、これまででも信頼していると言う事がよく判る人を拒絶するような姿を見せる、と言う事が。白銀とか勇者とか、リュウキをからかっている相手なら兎も角、リュウキが拒絶をしてるのはレイナだ。
――……相手があのレイナ?
レイナは凄く優しくて、可愛くて、姉のアスナと同様、全男プレイヤーの憧れだ(リズの独断だけど)。だからこそ、尚更想像が出来ない。性格だって、とても良いのは自分自身がよく知っている。
そして、リュウキの事はキリトにも話を聞いたことがあるし、リュウキの性格についてもアスナ達2人からも聞いている。自分自身も彼に接し、どういう人間なのか知った。
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