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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第73話 心の変化と彼女の想い
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、4人の掌にほのかな熱を感じた瞬間、きゅっと握り締めた。その温度が体を流れて胸の奥に火を灯した。
「……間違いなく。存在しているな……。幻なんかじゃない。この温もりは……」
リュウキは、そのぬくもりを胸にしまうように……手を胸の辺りに持っていった。その温もりが雄弁に語ってくれた。
この人が、何を求めているのかを。
「……ああ。あなたの意思は、オレ達が確かに引き継ぐよ。いつか必ずこのゲームクリアして、みんなを解放してみせる」
「ええ。……必ず。約束します」
「だから……見守っていてください。グリセルダさん」
皆の囁き、それが夜風に乗って……彼女にまで届いた。リュウキも頷き……そしてそっと胸に拳を当てた。リュウキは無言だが、その仕草、表情はこう言っているように見えた。
『後はオレ達に任せてくれ』と。
それらを見たグリセルダは、透き通るその顔に、にっこりと大きな笑みがこぼれ出た。その次の瞬間には、そこには誰もいなかった。皆、手を下ろし、暫くその場に立ち尽くしていた。
そしてやがてアスナがキリトを、レイナがリュウキの右手を握り微笑んだ。
「さ、帰ろ。明日からまた、頑張らなきゃ」
「だね! しっかり今後の攻略の対策もしようねっ? 皆っ」
笑顔を見せる2人。その笑顔に答えるようにリュウキもキリトも表情を緩めた。
「ああ、今週中に今の層は突破したいな。だからこそ……」
キリトはリュウキの方を見た。何かを期待する様に。
「……ああ、判っている。たまには最前線の攻略にも優先的に精を出さないと……な」
リュウキもキリトの言おうとした事を理解して、頷いた。
……リュウキは、このアインクラッドのほぼ全層を闊歩している。だが、以前にも説明したとおり、それは各層を視て回ることで様々な情報を発信する為だ。だからこそ、最前線でのマッピングにおいては、そこまで貢献はしていない。でも、その事で攻略組でそのリュウキの行動を非難したりするものはいない。
中層プレイヤー達の糧になっていると言っても良いのだから。だから、そんな彼が範囲を最前線に絞って集中したら……?
それはきっと、多大な成果を残すに違いないとこの場の3人は思えていた。攻略の速度だってずっと早くなると。
そして、キリトとリュウキは互いに拳を合わせていた。
「あはっ……これって、白銀と漆黒。再び、って事だね?」
「私達も負けてられないよ? レイ」
「うんっ! 勿論!」
紅白の色の2人、彼女達も白銀と漆黒の2人に習い、固く拳をあわせた。
そして、朝日は昇ってゆき、神々しい朝日に丘が包まれていった。
――……全ての闇が晴れた。
そう思える景色が 広がっていくのだった。
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