暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第73話 心の変化と彼女の想い
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だと言うのはまだわかっていないだけだって思っていた。

「……はいはい。そろそろ、行こうぜ? それにもう最前線を離れて2日も経ってんだ」

 キリトは、子供の様にはしゃいでいる、アスナとレイナの方を見ながらそう言った。

「…………。ああ、そうだな」

 この時は、リュウキはいつもの表情に戻っていた。

 アスナの考え……それは、少し外れていた。彼の内面について、決定的に違っていた。
 
 リュウキは自分自身の脈拍が一気に上昇して行くのがわかる。自分のバイタルデータが……どんどん上昇して行くのがわかる。


――何で、風になるのか?いや、自分は判っている。

 アスナに言われ、レイナのこと、考えてからだ。
 
 いや、この感覚は、以前レイナに抱きしめられたあの時から、『放っておけない!』と言われたあの時から、いつも気にかけてくれていた時から。

 そんな事が重なって……、いつしかレイナの事を、想っていた。……そして、何よりも愛おしいんだ。

(っ……愛……おしい?)

 それは、考えて出てきた言葉じゃなかった。それは、一体どういう意味……なのだろう。
 自然に……リュウキの頭の中に浮かんできたのだ。ここで初めて、この世界に来て初めて出てきた。これがあの感情だと言うのなら。

――……好きと言う感情、リュウキは少し判ってきた。

 それは、とても、嬉しい事だ。けれどそれと同時にある事も浮かんできた。あの時の記憶を。忘れていたあの時の感情を。……絶望したあの時の事を。



「もっ……////もうっ!おねえちゃんっ!!」

 レイナはまだまだ、ご立腹だった様だ。物凄く恥ずかしいからだ。キリトの言葉、聞いてて理解はしたんだけれど……さっきの事で、まだ頭がいっぱいのようだった。

「あははっ、ごめんごめん。見てたらちょ〜っとおせっかいしたくなって?だって、レイナ、私よりずっと先に行ってるみたいだし……ね?」

 アスナは軽く苦笑いしていた。レイナはまだ顔を赤らめている。

「さって! キリト君の言うとおり。明日からまた頑張ろ!」
「む〜〜///」

 とりあえず、レイナも一先ずは落ち着いたようだった。恥ずかしかった反面……少し嬉しかったり、自分で言いたい気持ちだってあるからちょっと怒ったり。いろんな感情が一気にきたから仕方の無いとは思う。

「ははは……、ん? ……リュウキ? 大丈夫か」

 キリトは慌てふためいている2人を尻目にリュウキの方へと行った。アスナの一言で、混乱している可能性だってあるんだから、側にいた方が良いとも思っていたようだ。

「………ああ」

 リュウキは、至って普通だった。心配は皆無か、と思っていたが。

「なぁ、……キリト」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ