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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第72話 純真無垢
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している……が、いつも、心底知りたいと言う気持ちも同じく持ち合わせていたのだ。愛情についてを。
その答えによっては、愛情と言う感情、もちたくないと思ってしまうかもしれなかった。
子が親に抱く感情、それだけで。……親愛だけで充分だ、と。
「ッッ!!」
グリムロックは、その言葉を聞いて、まるで身体に電流が走ったかの様な感覚に苛まれた。
そして動けない、言葉の一つすら出てこない。
それを聞くまで、例えどんな言葉を言われても返すつもりだった。だが、何故だろうか。目の前の男はただの子供だ。腕が立つだろうが、それはゲーム内での話だ。
現実世界では……間違いなくただの子供……の筈なんだ。
いや、だからこそだろうか……?
その子供の純粋な全く計算の無い、心のままの疑問。……その疑問を聞かれ、全く答えられなかったのだ。
「そんなわけ無いっっ!!」
グリムロックは答えられない。それに強く答えたのは後ろにいたレイナだった。
「リュウキ君の言うとおりだよっ! ……アンタがグリムロックさんに抱いていたのは愛情なんかじゃない!そんなの……絶対間違ってる!!」
「……レイの言うとおりよ」
そのレイナの絶叫交じりの恫喝にアスナが加わった。
「間違えているのは貴方。彼の言うとおり愛情は決して支配欲や独占欲、所有欲なんかとは違う。絶対に間違えてる。それに、まだ愛してると言うのなら、その左手の手袋を脱いで見せなさい。グリセルダさんが殺されるその瞬間まで、決して外そうとしなかった指輪を、あなたはもう捨ててしまったのでしょう」
彼女達の言葉が最後のトドメ一撃だった。
それは、グリムロックの胸に、どんな剣の、どんな一撃よりも強烈なダメージを精神に与えたのだ。そして、力なく膝をついた。その姿に先ほどまでの威勢のよさは何処にも無かった。
再び静寂が訪れる。
誰も動く事は無かったが……その静寂を破ったのが元・黄金林檎メンバーだった。
「キリトさん。リュウキさん。この男の処遇は私達に任せていただけませんか?」
カインズがグリムロックの右側に、シュミットが左側に立ち、カインズがそう言った。続いてシュミットが答える。
「……勿論 私刑にはかけたりしない。しかし、必ず罪は償わせる」
そう言った。その落ち着いた声には数秒前まで怯えきった響きはまるでなく、凛とした表情だった。
皆を守る守備隊のリーダーの表情に戻っていた様だ。
「……解った、全部任せる」
キリトは、大男を見上げて小さく頷く。それはリュウキも同様だった。
聞きたかった答え、この男からは聞けなかったが、2人から聞けたと、満足をしているようだった。その後は無言で頷き返し、シュミット
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