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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第72話 純真無垢
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を、キリトは無意識に左手で抑えていた。……今直ぐ斬り捨てたいと言う衝動に悩まされているのだろう。その手前勝手なその考えに。
その問いにグリムロックは一笑、そして囁きかけた。
「……そんな理由? 違うな、十分すぎる理由だよ。君達にもいずれわかるさ、探偵諸君。愛情を手に入れ、それが失われようとしたときにね」
そう口にしたその時だった。
ヨルコの話、そしてこの男の独白、それを、じっと聞いていたリュウキがピクリと動いた。
「……それはおかしいな」
そう一言、リュウキは言った。
アスナとレイナが真っ向から否定しようとしていたが、リュウキが僅かに先に言っていたから、思わず言葉を噤んでいた。
「……オレは、正直愛情と言うものはわからない。沢山の人を視てきても、それだけは 理解できていない。……親が子に抱く、子が親に抱く愛情と言うのはよく判る。……よく判る。だがな、矛盾しているかもしれないが判らなくとも、判る事はあるんだよ」
リュウキはゆっくりとした足取りでグリムロックの方へと歩み寄る。眼光からの威圧はもう既に解放していた。
「ほう……。所謂、親愛しか知らないお子様が愛情で解る事があるというのかね?」
全てを認めたグリムロックは、もう何も畏れはなかった。それはあの眼に関してもそうだ。
グリムロックは、たとえどんな事を言われても、自分を正当化するだけの理由があると信じて疑っていなかった。だから、リュウキの眼を見たって、もうなんとも感じなかった。
だが……。
「アンタの話しを聞いて思い浮かんだ言葉があるんだ」
グリムロックを心底軽蔑するかのような表情で見ながらリュウキは続けた。その眼は、先ほどの様な凶悪な視線ではない。ただ、憐れむ様な 嘆かわしささえ出している様な、そんな眼。
「……何?」
その思いがけない言葉が飛び少し戸惑っていた。この男もキリトの様に、幼稚な言葉を面並べるだけだと思っていたからだ。腕は立つかも知れない。あの殺人ギルドをも畏れさせる事も、ある意味では納得出来た。
だが、それはあくまでデジタル世界……仮想空間での強さ。虚構に過ぎない。ただの子供なのだと思っていたのだから。
「……それは、《支配欲》そして《独占欲》。ああ……他にもあった、《所有欲》……だな。確か……愛情と言う言葉は様々な意味を持つらしいが、それらとは似ても似つかない言葉……だろう? 今上げたその3つは。……それとも何だ? 愛情と言うのは、物や人などを自分の勢力下に置いて治めたいという欲望の事や、……自分だけのものにしたいという欲求。自分のひとりじめしたいという欲求の事を言うのか? お前の言う愛情と言うのは。……それが、愛情と言う物の本質だというのか?」
リュウキは、軽蔑は
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