暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第72話 純真無垢
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
う」

 ヨルコの発言を訊いて、再びその目付きが揺らいだ。安堵していた様子が次第に薄れていく。

「リュウキさんや、キリトさんの話を訊いてから、私はずっと考えてた。そして貴方はこう言った。殺人者にあの指輪は奪われた。……グリセルダさんの指に装備していたから、その場にドロップしてしまってと。……でも、それは有り得ない事なのよ」
「有り得ない? どんな根拠で」

 安堵感が薄れてきている、とは言え、なめらかに、そして轟然と言い放つグリムロック。そんな彼にヨルコはなおも苛烈な声を浴びせた。

「あのアイテムについては、ギルド内でも沢山話し合った。勿論、グリムロックも知ってるわよね。売却するか、ギルドで使うかを議論している最中、売却否定派だった、カインズはこう言った。『黄金林檎》で一番の剣士はリーダーだ。だから、リーダーが装備すれば良い』って。 それに対して、彼女がなにを言ったか、貴方は覚えてる?」

 ヨルコの問いかけに、グリムロックは何も言えずに押し黙った。それを見て、更に続ける。

「私は思い出せる。……一字一句を。あの人は笑いながらこう言ったのよ。『SAOでは、指輪アイテムは片手に1つずつしか装備できない。右手はギルドリーダーの印章(シギル) そして、左手の結婚指輪は外せないから、私には使えない』 そう言ってたのよ。……つまり、その2つのどちらかを外して、こっそり試してみるなんてこと、彼女がする筈がないのよ!」

 確かに、メインメニューの装備フィギュアに設定されている指輪スロットは、右手と左手に1つずつであり、両方埋まっていれば、新たな指輪は装備出来ないだろう。……だが、それもどうしても証拠としては弱い。
 キリトは、まだ睨んでいる様にグリムロックを視て逃さないリュウキを尻目にそう思った。
 状況の全ては、この男が黒だと言っている。でも、その証拠がないのには変わりない事だから。

「《する筈がない》? 何を言うかと思えば。それは彼の暴論と変わらない主張だよ。それを言うなら、《グリセルダと結婚していた私が、彼女を殺す筈がない》、とまずは言ってもらいたかったよ。高圧的に彼から言われている僕に対して」

 グリムロックは、親指でリュウキを指しながらそう言う。だが……、決して、彼の眼をまた見たりしなかった。だが、その縛りにも限界はあるだろう。自白の可能性が全くないと言う状況で、これ以上束縛をしては置けないからだ。
 
 その時、ヨルコは、そんな彼の言い分に対し囁く様に答えると同時に、首を横に振った。

「いいえ、違うわ。根拠はある。……リーダーを殺した実行犯は、殺害現場となったフィールドに、無価値と判断したアイテムをそのまま放置していった。それを発見したpるえいやーが、幸いリーダーの名前を知ってて、遺品をギルドホ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ