第六章
[8]前話
娘の両親、打ち合わせの時は急用で来られなかった二人にもだった。
いいと言われた、その後も打ち合わせをしたがだ。
そのデザインでいいとなった、仕事は無事に終わった。それでだった。
イーコは自宅でだ、ニキータに笑顔で言った。
「今回の仕事はな」
「無事に終わったわね」
「無事に終わっただけじゃなくてな」
それに加えてというのだ。
「いい発見になったよ」
「これまでのスランプがなのね」
「抜け出られたよ」
苦しんでいたそれからというのだ。
「無事にな」
「それはいいことね」
「本当にな。未完成に見えるデザインもな」
「いいのね」
「それに斬新な、な」
ペヨーテを食べて獲られるウィチョール族の伝説を、というのだ。
「それが得られたからな」
「よかったのね」
「本当にな、あとケスケミトルはな」
ウィチョール族のその服はというと。
「プレゼントするよ」
「私になのね」
「着てくれよ、是非」
「そうさせてもらうわ」
ニキータは夫の言葉ににこりと笑って答えた。
「その未完成な模様も見てよね」
「ああ、俺は変われたからな」
「完璧じゃなくてもいいのね」
「そのこともわかったよ、未完成な感じにしておくのもな」
「またいいのね」
「ああ、四角ばらずにな」
そうしたものも入れるといいこともだ、イーコは知ったのだった。それでこんなことも言った。
「インディオの文化もいいな」
「そうね、馬鹿に出来ないわね」
「また行きたいな、あそこに」
「けれど奥さんは私一人よ」
「ははは、わかってるさ」
このことは笑ってやり取りをした、そしてテキーラを一杯飲んでだった。妻にもそのテキーラを勧めるのだった。
ケスケミトル 完
2015・7・26
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