暁 〜小説投稿サイト〜
ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
アカギミナト×武器製作×ヘファイストス様
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去の念を込めた言葉を我が主神様はにこやかな笑顔とともに流す。
というか、椿の予定は把握済みかよ。
ヘファイストス様のサボタージュが周到になってきたような。
「そうですか。それで、今日はどのような御用でしょうか?」
諦めて、炉の炎をそばに置いてある桶の水で消してから、主神に向き直った。
「なんだか気になって様子を見に来たのよ」
俺の問いに、より一層笑みを深めたヘファイストス様は言った。
「………………つまり、特に御用はないということですね」
「あら、悲しいわ。本当に心配しているのに」
「それはそれは失礼致しました」
のらりくらりとしたヘファイストス様の受け答えにほとほと疲れながら答える。
「このごろはどうなのかしら?」
「…………どうっというと?」
ヘファイストス様の言わんとしていることを汲み取れずに純粋な疑念に衝き動かされて訊いてしまう。
「そうね…………身の回りで何かあったりしたかしら」
俺の質問にヘファイストス様はしばらく思考を巡らすように天井に視線を遣ってから、ふと気になったから、というような何気ない感じで言った。
「身の回りですか…………ああ、それなら面倒なことがありました」
そのヘファイストス様のように俺も先まですっかり失念していたことをふと思い出したから、というような然も重要でないことのように言った。
「あら、そう。面倒なことはどういったことなのかしら?」
「ええっとですね。昨日に直接契約を申請してきたその本人にばったりでくわしてですね、追いかけ回されて大変だったのですよ」
昨夜のことを頭に思い浮かべながら言った。
「それは、本当に大変ね」
「逃げ切れたのですが、どうしてか場所を突き止められていたのですよ」
「それも大変ね」
「ええ、それで、おこがましいと思いますが、工房を移させてもらっていいですか?荷物は少ないから、一人で引っ越しは済ませれますので、誰にも迷惑はかけません」
話しているうちに思い至ったことを口にした。
ほとんどの鍛冶系ファミリアが効率化で数人で共有する共有様式の工房にしている中、前述の通り、【ヘファイストス・ファミリア】は所属している鍛冶師一人一人に個人の工房を与えている。
その理由は
偏
(
ひとえ
)
に鍛冶師の技を守るためだ。
俺の世界では単一的、画一的な製品を作ることが工場のモットーだけど、この世界は違う。
鍛冶師の特性を伸ばし、個性を重んじる。
その一貫として、鍛冶師のオリジナルの技術を盗まれないために個人の工房を与えているのだ。
それが計らずも俺の異常性を隠す隠れ蓑になっているわけなのだ。
「そうね…………あなたからお願いごとなんて本
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