クリスマスの勇気
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だ、そういう話ではなかったのか…
ん?じゃあなんで私はさっきの話で…
「では、行きますわよ〜!」
シルフィンさんの声で思考を遮られ、みんなと一緒にシルフィンさんの家に行く。
シルフィンさんの家はとても大きく、私を含めてみんな驚愕していました。
最初から誘う予定だったのか、部屋の内装も飾り付けられていてクリスマスの食事やケーキも準備されていました。うっ、よだれが…あぶないあぶない。
「すごいおいしそう!」
うまるちゃんがとても笑顔だ。
きりえちゃんも言わずとも目をキラキラさせている。
「いただきます。」
頬張らないように気をつけなきゃ。
皆クリスマスパーティーということもあってか、とても嬉しそうに食べて、飲んで、喋っている。
シルフィンさんも動きに拍車がかかっていて、そのせいか気づいたら寝てしまっていた。
そんなシルフィンさんを見ていると、どうしてもあの時に言われた言葉がどうしても気にかかる。
「海老名さんは一緒に過ごす方はいませんの?」
いないいない、学校にもそんな人はいないし、その他にもそんな人…
するとなぜかうまるちゃんのお兄さんの顔が浮かんできた。
そんな、確かに東京に来たばかりの私に初めてちゃんと話しかけてくれたり、ぬいぐるみをくれたり、とっても優しいけれど、恋愛感情は無い…は、ず。
「海老名ちゃん、シルフィンさん寝ちゃったしもう遅い時間だから帰ろう。」
「ひゃっ!ひゃい…」
「うわっ、どうした?ごめんね、驚かせちゃった?」
「ううん、何でもないよ。うん、帰ろう。」
シルフィンさんの家に別れを告げ、暗い夜道を歩きだす。さすがにこの時間になると人もまばらだった。
しばらく歩いてると、突然うまるちゃんが
「ごめん、忘れ物したから先に帰ってて!」
「えっ…」
すぐさまUターンして戻ってしまった。ただでさえ暗いのに独りぼっちになってしまった。
「怖いな…早く帰ろう。」
家を出発した時と同じように早歩きで帰路に着く。
やはり一人になってしまうと考え事をしてしまう。早く帰って寝れば明日にはモヤモヤがなくなってるかな。
出発した時よりもさらにモヤモヤしている気がして、必死に歩いた。
ドン!
下を見て歩いてたせいか、何かにぶつかってしまった。この時間だ、とても顔を上げるのが怖かった。
「おっと、ごめんなさい。あれ?」
優しそうな声と態度に少し安心する。しかし安心した途端、どこかで聞いたことのある声に違和感を覚えて、ゆっくり顔を上げると、
「あれ、海老名ちゃんじゃん。どうしたの、こんな時間に。」
今一番会いたくない人に会ってしまった。頭の中で考えていたことが脳内を駆け
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