クリスマスの勇気
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今日はみんなが幸せな時を共有する特別な日。クリスマスです。
秋田から単身東京に来るということに不安を覚えていた私もすっかり慣れ、今では楽しい毎日が送れています。
クリスマスがみんなで楽しめるという幸せを噛みしめながら自宅で出かける準備を済ませ、これからどんな楽しいことが起こるのかな、と思いを巡らせ意識せずに早歩きになってしまっている私はなんて幸せなんだろう。
しかし、早歩きで皆の元へ向かっている途中まるで欠けたパズルのピースのような、何か私の心の中で足りないものがあるような気がして一瞬立ち止ってしまいました。
「何だろう、この感じ…」
「ううん、今まで十分幸せだったじゃない。あのうまるちゃんとも仲良くなれた、切絵ちゃんも最初は警戒心むき出しだったけど今日も一緒に遊べるほど仲良くなれたし、シルフィンさんだってサッカーの時から仲良くしてくれてる…」
「早くいかなきゃ。」
少し思いを巡らせたがすぐに打ち切って、また歩き出しました。もしかしたらこの時にはもう気づいていたのかもしれない。
「あ、海老名ちゃんこっちこっち!」
うまるちゃんが私を呼んでくれています。やっぱりとっても綺麗だな。
「ごめん、ちょっと遅くなっちゃった。」
「いいよいいよ、早くイルミネーション見に行こう!」
「早くみなさん行きますわよ!」
私の手をシルフィンさんが引っ張る。ちょっぴり痛いけどそれをうれしさが上書きする。
シルフィンさんに連れられて着いたそこは、色々な色に彩られていて。
「綺麗…」
皆その一言しか出ないようでした。
しばらくして、シルフィンさんが周りをキョロキョロしだした。どうしたんだろう。
「周り私たち以外皆カップルばかりですわね〜」
言われて私も見渡してみる。確かにカップルが多く、みんな幸せそうだ。
するとまた「何か」が私の心の中を巡る。
「どうしたの?海老名ちゃん。」
「あっ…ううん、何でもないよ。」
「人ごみに酔ったのでしょうか。通りに出ますわよ!」
せっかくみんなで楽しんでいるのに気を遣わせては悪い。ちゃんとしなきゃ。
「といっても、どこも人だらけですわね。」
「ところで、皆さんは一緒に過ごす方はいらっしゃいませんの?」
刹那、再びさっきの「何か」がさらに強く心を巡る。
「きりえさんはいませんの?」
「え、い、いるわけないでしょ!」
「ではうまるさんはどうですの?」
「え、えーいないよ〜」
「では海老名さんは?」
「い、いや、いない…よ」
言い切ることに何故かためらいが出てしまった。
「そうですの。なら皆さん私の家でクリスマスパーティーをやりますわよ!」
なん
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