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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第百一話 春の穏やかな一日 前編
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回りの面々も既にフェイトが歌うものだと思っている。
それに畳み掛けるように
「次、フェイトが歌うって!」
「「は〜い!」」
アルフがカラオケのところにいたエイミィと美由希に声をかけたものだから、完全に外堀が埋まってしまった。
もはやここまで来てしまったらと諦め、わずかに肩を落とすが、覚悟を決めるフェイト。
「皆、下手でも笑わないでね」
恥ずかしがりながらも歌う気になったフェイトに周りの面々が拍手で迎える。
「楽しみに聴かせてもらおう」
シグナムがフェイトにわずかに届くぐらいの声で呟かれた楽しそうな言葉に頷いて、カラオケ機器の近くに移動し、マイクを握る。
そして、フェイトの歌がその場を支配した。
奏でられる歌声は今日という穏やかな日を表すような春の歌。
耳を傾けているのは、先ほどと違いカラオケの周りの面々だけではなかった。
満開の桜という舞台で、風に舞う花びらと共に金色の髪を靡かせ歌う少女の声に、今日、この日集まったすべての者が耳を傾けていた。
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