SAO:アインクラッド〜共鳴しあう絆の中で〜
主人公よりも先にリークさんの過去編
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結果を見るに斬撃ダメージが入るような攻撃はありません」
「…………そうか」
「今まで僕は、この事件について二つほど可能性を考えていました。一つは殺人ギルドの急襲。もう一つがギルドメンバーの裏切り。ボスを倒した後にそれがあれば、リークさんがグリーンのまま人殺しをしたということが成り立ちます」
「それが今日のことでもう一つの可能性が出てきたってことか」
「はい」
もし、リークがオレンジにならないスキルやアイテム、裏技などを使えるとしたら、そういうことは可能になる。
そして実際、ルインのHPは確実に減っていたにも関わらず、リークのアイコンはグリーンのままだった。
見た目を変えているだけではないことは、圏内に入れている時点で確実である。
「それで」
ルインが口を開く。
「お前はどうしたいんだ?」
まっすぐと、逸らさずに。
無遠慮に、ただ素直に、彼は質問をぶつける。
「僕は……」
返答に困るフォルテ。だが、しばらくするといつも通りの笑顔を浮かべて、彼もまっすぐと、彼なりに言葉を紡いだ。
「リークさんが、人殺しをしているのなら、その傷を少しでも埋めたい。また人を殺さなくてはいけないのなら、僕がそれを請け負いましょう」
「……そうかい」
ルインはフッと軽く息を吐き、石畳の道を歩き始める。
「お前って頭いいけどバカだよなー」
「バカで結構。気が楽でいいです」
「いじりがいのねぇ奴だなぁ」
日常は、続く。
変化を加えながら、続いていく。
当たり前に、当然に。
そして何より、残酷に。
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