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幼馴染みがTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
幼馴染がTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
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たいなので、すごく、申し訳ないんですけど……このままでいる、っていうことは、できませんか」
それは。
それはつまり、女のままで後生を過ごす、という事に他ならない。
「ボクは、このままでも構わないんです。結局完全に戻れないなら、だったら別に、無理やり戻りたくもありませんし……女のままでもいいかな、って、思っちゃったんです。だから関ケ原さんや、お知り合いの方々や、それにセージにも迷惑を掛けたみたいですけど……このままで、いいかなって」
いやいやいや。
それじゃぁ俺が困るんだって。いや、葵の決意はそれはそれでいいものだと思うよ? 最終的な決定権は葵に在る訳だし、俺がどうこう言う資格がないのは分かるんだけどさ。
できれば「戻る」って言ってくれればよかったなー、なーんて。
しかしその言葉を聞いて、関ケ原さんはふっ、と笑った。久しぶりに見た、普通の笑い方だった。
「そうか。だったらその覚悟、大事にしろよ
小
(
・
)
娘
(
・
)
。これから色々あるんだろうがな、諦めんな」
そう言って関ケ原さんは、
「お前もせいぜいがんばれよ、セージ」
俺に言い残すと、別に許しても無いのに帰った。
***
まぁ、結論から言うと。
葵はその後、死が俺達を分かつまで、男に戻ることはついぞ無かった。最初に奴の「私」という一人称を聞いたときは「嗚呼」と呟いてしまった覚えがある。
さらに蛇足なのかもしれないのだが、結果として俺は欲望に勝てなかった、とだけ言っておく。
『彼女』はそんな俺に微笑むと、
「いったでしょ、私は、セージになら何されてもいい、って」
と言った。
もう一回襲った。
ついでに言うと、『その日』は眠れなかった。
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