暁 〜小説投稿サイト〜
幼馴染みがTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
幼馴染がTSしたので欲情しないようにするのが大変なんだが
[8/8]

[9] 最初 [1]後書き
たいなので、すごく、申し訳ないんですけど……このままでいる、っていうことは、できませんか」

 それは。

 それはつまり、女のままで後生を過ごす、という事に他ならない。

「ボクは、このままでも構わないんです。結局完全に戻れないなら、だったら別に、無理やり戻りたくもありませんし……女のままでもいいかな、って、思っちゃったんです。だから関ケ原さんや、お知り合いの方々や、それにセージにも迷惑を掛けたみたいですけど……このままで、いいかなって」

 いやいやいや。
 それじゃぁ俺が困るんだって。いや、葵の決意はそれはそれでいいものだと思うよ? 最終的な決定権は葵に在る訳だし、俺がどうこう言う資格がないのは分かるんだけどさ。
 できれば「戻る」って言ってくれればよかったなー、なーんて。

 しかしその言葉を聞いて、関ケ原さんはふっ、と笑った。久しぶりに見た、普通の笑い方だった。

「そうか。だったらその覚悟、大事にしろよ()()。これから色々あるんだろうがな、諦めんな」

 そう言って関ケ原さんは、

「お前もせいぜいがんばれよ、セージ」

 俺に言い残すと、別に許しても無いのに帰った。



 ***



 まぁ、結論から言うと。

 葵はその後、死が俺達を分かつまで、男に戻ることはついぞ無かった。最初に奴の「私」という一人称を聞いたときは「嗚呼」と呟いてしまった覚えがある。

 さらに蛇足なのかもしれないのだが、結果として俺は欲望に勝てなかった、とだけ言っておく。
 『彼女』はそんな俺に微笑むと、

「いったでしょ、私は、セージになら何されてもいい、って」

 と言った。
 もう一回襲った。

 ついでに言うと、『その日』は眠れなかった。
[9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ