PHASE-01 怒れる瞳
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C.E.73年10月2日 L4プラントアーモリーワン
この日は朝から慌ただしく、音楽隊の移動や、式典用のジンが集められ、それらの準備でてんやわんやの状態だった。なにを隠そう、この日は戦後初の新型艦、「ミネルバ級惑星強襲揚陸艦一番艦ミネルバ」の進水式準備の日なのであった。
「うおぁっ!!」
ミネルバに配属される予定の新米整備員、ヴィーノ・デュプレが運転する車が、ハンガー脇からいきなり出てきた式典用のジンに危うく踏みつぶされそうになるも、ヴィーノは危なげにそれを潜り抜ける。
「はあっ、なんかもう、ごちゃごちゃね」
助手席に座っていたルナマリア・ホークが顔に手を当てて呟き、振り返って自分たちがくぐったジンを一瞥する。彼女はミネルバに新しく配属されるエリートパイロット、いわゆる”赤”であり、専用のカラーリングをされたザクで式典に臨む予定なのだった。
「仕方ないよ。こんなの久しぶりってか、初めての奴も多いんだし、俺達みたいに」
ヴィーノは何事もなかったかのように直進する。直に、ミネルバを視界に捉えることができた。
「でもこれで、ミネルバもいよいよ就役だ。配備は、噂通り月軌道なのかな?」
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多くのザフト軍将校が目を向ける先に、一つのジェットファンヘリがあった。それは今まさに着陸しようとするところであり、それを見たレイ・ザ・バレルは、一瞬嬉しそうな顔をするとすぐに顔を引き締めそちらへ向かう。
将校たちが敬礼を向ける中から一人の長い黒髪をした男性が歩み出てくる。彼の名はギルバート・デュランダル。かつてクライン派に属していた男であり、遺伝子学者であり、現プラント最高評議会議長の座についている男である。
「彼の言うこともわかるがね…しかし、ブルーコスモスは組織というより主義者だろう」
ギルバートはそらした視線の先に敬礼をしているレイを見つけると微笑みかけ、視線を戻すと建物の中へ入っていく。レイもそれを見届けて自分の持ち場へ戻っていった。
「いくら条約を結んだところで、テロは防ぎきれんよ」
前方から男が一人、走り寄ってくる。
「議長!…オーブの姫が、ご到着です」
「…やれやれ、忙しいことだな…」
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「服はそれでいいのか?ドレスも一応持ってきてはいるが…」
「なんだっていいよ。いいだろ?このままで」
現オーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハの返答に、サングラスをかけた護衛の男は眉をひそめる。彼の名はアスラン・ザラ。元ザフト軍特務隊所属で、今は偽名を使ってカガリの護衛を務めている。
「必要なんだよ、演出みたいなことも。わ
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