Life12 暗躍を照らす光
[1/12]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
特訓10日目。
少々時間を遡り、敵の軍勢が広域陽動作戦を開始しだした頃。
各地で敵の襲撃を受けている所で、所用――――一応駿足のアキレウスと会う約束をしていたので、ついでに緊急時への対応も話し込んでいた士郎が、転移魔法陣で白銀の魔剣士――――叛逆の騎士モードレッドの所に戻って来ていた。
「状況は?」
「・・・相当広範囲で、謎の敵共から襲撃を受けてるみたいだぞ?」
「なっ!?まさかゼノヴィアを狙ってる奴らのか?」
「多分そうなんだろうぜ。流石に此処までやるとは、フィリップもケイン予測出来なかったろ」
「・・・・・・・・・・・・」
想定外の規模に、士郎は押し黙った。
それを横目で見たモードはため息をつく。
「オイ、士郎」
「・・・・・・・・・・・・」
「こっち向け、ってか聞け!」
落ち込み続ける士郎に頭を殴る。
「な、何だよ?」
殴られた士郎は完全に聞いていなかったのか、殴られた頭を押さえながら怪訝な顔をモードに向ける。
そんな士郎の表情を見た彼女は、不快気な顔を作りながら口を開く。
「何だよはオレのセリフだ!つか、質問は無しだ。いいか?オレはフィリップでもケインでも予測できなかっただろうって言ったんだぞ?にも拘らず、何落ち込んでやがる!お前はフィリップよりも頭がいいか?ケインよりも戦術眼が上か?そんな訳がない、2人よりも下だろうがっ!それなのになに全部俺の責任だなんて顔してやがるんだよ、このムッツリがっっ!」
「俺は別に・・・」
「嘘つけ!どうせお前の事だから、確証がなくても報告すべきだったって、責任を幾つも勝手に背負い込もうとしてるんだろ!?」
「・・・・・・・・・・・・」
明らかに図星だったのか、またも口を噤む。
それを見て、モードはまたも溜息を吐く。
「お前は何でもかんでも背負い込み過ぎなんだよ!赤い龍を宿したお前の弟分が悪魔になったのも、藤村組の所用で出かけてたから仕方がないってのに、勝手に自分のせいだと背負い込みやがって・・・。お前が『衛宮』だった頃にも、さんざん周りに言われてたんじゃねぇのかよ!?勿論・・・・・・・・・“父上”にもな」
「むぅ」
反論したくても出来ずにいる士郎に、モードは嘆息する。
「まぁ〜たく、“父上”もとんだマスターに引き当てられたもんだな。めんどくさい」
そんな風に皮肉るが、彼女からすれば士郎は『面倒』な存在ではあっても『嫌い』な存在ではない様だ。
そこで、よし!と言う言葉が士郎の口から吐き出された。
「やっと切り替えたか・・・」
「いや、落ち込むなら何時でも出来る
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ