狂宴
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らは一歩も出さないからな」
ベゼドラが大股に近寄ってきて、首輪近くの鎖を乱暴に引き上げる。
苦しげな顔をしているのは、これもクロスツェルの影響なのか。
「クロスツェルの体が朽ちるまでは縛り付けてやる。実体の封印を解いたら今度こそ」
「殺す、か?」
鼻で笑いながら見上げれば。
ベゼドラの顔が、怒りとも悲しみとも取れる形に歪んだ。
「っんぐ……!」
ベゼドラの左手に口を押さえられ、二人の体が床に転がる。
性急に脚を開かれ。
長衣の裾を持ち上げた男が、準備もなく強引に内側へと入った。
乾いていた場所が強くこすられ、痛みと圧迫感で背中が反る。
ベゼドラにも、多少なり痛みがあるのか。
苦しそうに歯を噛んで、低く呻いた。
二、三回の抜き差しで濡れた音が聞こえ始める。
冷静に聴き分けている自分が可笑しくて。
ベゼドラの手のひらに押さえられている唇が、少しだけ弧を描いた。
せめてもの救いは、クロスツェルの死に方が物理的じゃなかったことか。
ふとした拍子に、割れたガラス瓶で突き刺した感触を思い出しては。
あいつがそんな怪我を二度と負わないようにって、思ってたから。
どっちにしてもバカなんだけどな。
バカだから。
案外まだ、どうにか取り戻せるんじゃないか……、なんて……。
そんな風に思うのは……甘い、かなあ……。
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