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機動戦士ガンダムSEED編
第15話 後編
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「………」

 キラは何も答えない。オレは何も言わず壁にもたれ掛かりながら返事を待つ。少しした後キラは口を開き始めたが、それは聞き捨てならない内容だった。


「…そんな事ないです。ただ…」
「?」
「……フレイがああなったのは、僕があの時フレイのお父さんを助ける事が出来なかったからなんだろうなって…」
「何?」

 キラは一旦言葉を切ってから、ポツポツと自身の思いを口にしていく。

「僕はあの戦いの前にフレイに言ったんです。僕もいくからフレイのお父さんは大丈夫だって。それなのに、フレイのお父さんはあの戦闘で死んでしまって…僕はその時何もできなくて…」
「……」
「だから、僕はフレイに恨まれても仕方ないんです。約束したのに、絶対に大丈夫だって言ったのに、助ける事が出来なかったから……」

 …こいつ、あの件を自分のせいだと思ってるのか? いくら約束したとはいえそれはない。そりゃあオレもあの時何もできなかったのは責任を感じているし後悔の念も未だにある。が、あの戦闘で先遣隊を助ける事ができなかったのは誰か特定の一人のせいなんかではない。それだけは断固として言える。

「言っておくがそれは違うぞ」
「違うって…どういう……」
「言葉通りの意味だ。先遣隊を助ける事が出来なかったのはオレやお前も含めあの戦闘に関わったアークエンジェルのクルー全員の責任だ」
「全員の…責任」
「そうだ。お前はイージスと戦っていてジョージ・アルスターの乗っている艦を守っている余裕などなかった。お前が悪いっていうならあの艦と比較的近い位置にいたオレの方がよっぽど責任があるさ」
「………」

 キラはそんな事思いもしなかったのだろう。こちらを見たまま目を丸くして開いた口が塞がらない状態だ。

「あの戦闘はお前以外にもオレやフラガ少佐、アークエンジェルだっていたんだ。何か戦況に大きく作用する程の重大なミスを冒したんならまだしも、お前は必死にイージスと戦ってただけだ。それでお前だけが悪いなんて言う奴はいないさ。いるとしたらそいつの方が間違ってる」

 言葉を一度切ってキラの様子を見てみる。キラはオレに言われた事に何か思う部分があるのか少し考える素振りを見せた後唐突にこんな事を言い出した。

「悠凪さん」
「ん?」
「…あの戦闘の後、フレイに言われたんです。相手が同じコーディネイターだから本気で戦ってなかったんだろうって」
「あいつ……」

 やはりあの戦闘の後キラに対してそんな事を言ってやがったか。詰めが甘かった、こんな事になるんならもっと介入しておくべきだった………
 キラの発言を聞いてフレイへの怒りがますますこみ上げてきたがキラの発言はこれで終わりではないようなので一旦それは置いておく事にした。

「でも……多分
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