機動戦士ガンダムSEED編
第15話 後編
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もう日は沈み、寝始める人もいるであろう時間帯。やっとジンの修理が一段落したオレはキラの部屋へと向かっていた。
「出来ればもう休みたいところだかな…」
通路を歩きながらついそんな事を呟いてしまう。だが、何もしない訳にはいかない。自分で巻いてしまった種だ。オレ自身の手で収拾をつけねばならないだろう。
当初オレはここまで事態を悪化させるつもりはなかった。今更言い訳じみているだろうがオレは先遣隊を、しいて言えばジョージ・アルスターを死なせずにフレイ・アルスターごと地球に帰ってもらうつもりだった。先遣隊の任務が終わればジョージ・アルスターは地球に帰る予定であり、それにフレイも嬉々として同行していただろう。
キラはフレイ・アルスターに食堂の一件で奴の本音を洗いざらいぶちまけさせればフレイの事は諦め、もう少し付き合う女子をちゃんと選ぶようになるんじゃないかなどと期待していたのだが、結果は今の状況。キラは控え室でのフレイへの態度からして多分まだ奴への恋心を持っていたと思われる。そして今も。フレイの方はジョージ・アルスターが原作と同じく死んでしまったのでやはり復讐心からキラを自分の思い通りにしようと行動した。
それ自体はそうなる寸前で止める事に成功したが、キラは深い傷を心に負ってしまった。放っておくという選択肢もあった。しかし、それをしてしまうと昼ドラ展開に直行が確定する。あんな胸糞悪い状況に陥ってしまうとわかっていてそれを放っておく事はできなかった。
そんな事を考えながら歩いているとキラの部屋の前へと辿り着いた。オレは扉の横に設置されているインターホンから中に呼びかけを行う。
「キラ、いるか?」
だが、インターホンには何の返事も返ってこなかった。しかし、この程度で諦める事はできない。許可はとっていないが部屋へと入る事にした。
「…入るぞ」
扉を開け部屋に押し入ると中は明かりがつけられておらず真っ暗闇の中顔を伏せた状態でベッドに座っているキラを発見した。
暗いままというのも話をするのにはどうかと思うので部屋の電気をつける。蛍光灯が部屋の中を照らし出しベッドにいるキラの姿もはっきりとわかるようになった。そのキラの状況はというとついさっきまで泣いていたのか目は赤く腫れていた。
「入っていいのか返事位は欲しかったんだが…」
こんな状態にしてしまったのはオレに非があるとはわかっているが、まずは話を切り出さない事には何も始まらないのでオレがこの場で一番自然な流れで会話に持っていけると思える言葉を使う事にした。
「…すいません」
「……いや、まあ別にいいけどよ。それはそれとして悪かったなあの時は」
「えっ?」
「昨日の控え室での件さ。お前が部屋に閉じこもってるって聞いて余計な事したかなって思ってな」
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