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黒き天使の異邦人
第3話 一人の少女の出会いとこれからの事
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子様が迎えに来たっていうシチュエーションが良かったな、なんて思っていたりはする。








〜黒き天使の異邦人〜
〜第3話 一人の少女の出会いとこれからの事〜









 俺は彼女の案内で弁当を食っても問題ないような広場について、弁当を広げて美少女と昼食を食べるという前の世界じゃ経験した事のないシチュエーション。
 まあ彼女とは今日初めて会ったばかり、それも一時間近く前に知り合ったばかりという奇妙な縁ではある。

 そうして彼女は俵の塩お握りを口にした琴璃は表情を綻ばせる。


「塩加減が絶妙で美味しいです!それに卵焼きもちょっと甘めですけど、好みです」

「口に合って良かったよ」


 どうやら俺の作ったお握りやら卵焼きは彼女の口に合ってくれたらしい。
 今から考えると弁当を作り過ぎたと思ってはいたので、琴璃が誘いを受けてくれて良かったと考えていた。

 そうしてミニハンバーグやウインナーも全て二人で半分ずつ平らげていく形にはなったが、全て食べ終わると水筒に入っているお茶を紙コップに入れて渡すと食後のお茶を飲んでいた。


「だけど、東夜さんって料理がお上手なんですね」

「まあ、家族が生活力のない人間ばかりでな、自然と身に付いた形になるんだ」

「私って洗濯とかは出来るんですけど、料理とか全然なんで羨ましいです」


 事前に調べてあったことの一つで、食料品、特に天然の食材は厳重な統制下にあるが、極たまに天然食材の配給が行われることがあることや、数と規模は小さくなっているが山間部の農村地帯では普通に天然食材を料理することもあるという事だ。
 だからこう言えば、ある程度は俺が横須賀に来たばかりというのを誤魔化せると踏んでいた。

 だけど気になる事はある。


「ん? 海洋技術統合学院なら調理実習みたいなのとかは無いのか?」

「ああ、そういうのは無いんですよ」

「そうなのか?」


 軍直轄であり将来の軍人を育成が最終的な目的ではあるが、他には海洋技術や文化などの様々な多様な技術の保存と保護も目的とされて居た筈だ。
 料理の実習とかはしないのか? と疑問に思っていた俺の様子を見た琴璃は苦笑いに似た表情になる。


「えっと、調理とかはそれを専門とする部署を希望しないといけないんです」

「ああ…… 食材が貴重だからか」

「はい、なので同級生の中で料理が出来る子って少ないんですよね」


 それを聞けば納得いく理由でもある。
 まあ、訓練や演習中に不測の事態に備えたサバイバル術やらサバイバル料理は習っているかもしれないな。
 この辺まで聞けば流石に怪しまれると思って聞いてはいないけれど、軍直轄型の学校
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